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gr side
『静粛にお願いします！！！』
よく通る、高めの声。
何事かとテーブルを見れば、気絶した女性を抱える男性の横で、護衛らしき男が声を張り上げていた。
『先程倒れられました男性に関しましては、δ国が責任をもって治療させていただきます。原因が明らかになった場合には早急に皆様にお伝えし、余すことなくご説明させて頂く所存にあります。そのためにも一度皆様には控え室の方へ戻っていただき、事の顛末を待って頂きたいのですが、よろしいでしょうか？』
力強い言葉の裏側に、拒否権は無いと突き放された客達は、控え室へと消えていく。δ国の大臣と思われる男の元に駆け寄った衛士は、何やら神妙な面持ちで話をしている。
zm｢グルッペン｣
｢なんだ、ゾム｣
コソッと話しかけてきたゾムに答えながら、話し込んでいる2人を見つめる。先程から煩く鳴っている心臓を無視し、瞬きも忘れて彼らに見入った。
──正確には、護衛の男を。
zm｢ファルス公爵、あいつやで｣
｢…そうか｣
一言だけ発し、トン氏とオスマン達を回収して控え室へと戻る。事態をよく把握していない3人に簡単な説明をして、俺は1人、だだっ広い会場へと戻った。
｢──、────｣
『──。──────…』
｢──…｣
『…』
すっ、と屈んで衛士が持ち上げたのは、床にぐちゃぐちゃになって放置されていた皿。その皿を使用人へと押し付け、何やら指示を飛ばしている。使用人がその皿を持って立ち去った後、会場にはファルス公爵と護衛の男を残して全員が会場から出ていった。
fa｢つまり、不慮の事故に過ぎないと｣
『僕の見立てが間違っていなければ…ですが』
fa｢そうか……そうだね。私も身内の人間を疑いたくはないよ｣
『…心中お察しします。後片付けは自分が』
fa｢1人で大丈夫かね？｣
『はい。この程度でしたらすぐに終わりますので、部屋で休まれて下さい』
fa｢分かった。その厚意に甘えさせていただこう｣
靴音を鳴らして会場を後にした公爵から、1人残った護衛の男へと目を向ける。床を見つめていたその目が、ゆっくりと此方を見た。懐かしいどの記憶よりも低く、しかしまだ幼さを残した高い声が、はっきりと意志を持って発せられた。
『…盗み聞きはよくないぞ、グルッペン』
呆れたような、咎めるような。
ニヤける顔を引き締めて、男の元へと歩き出した。
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
