秘め事 ページ12
me side
あの後カフェへと戻りマスター──今回の依頼人──に任務完了の旨を告げ、指定した口座に金を振り込むよう手続きしてから店を去る。大臣を殺したのはあのパーカー男だったが死んだことに変わりはないので有難くその事実を利用させて頂く。ちなみにマスターは店の主人ではなく、れっきとした国の官僚。僕なりの信念で仕事を受け付ける際には必ず依頼主と面会する事にしている。お互いに素顔を曝け出す事で信頼を得、滞り無く仕事をするためである。素顔が割れてしまうデメリットはあるものの、別にどこにでもいる顔であるしカラコンを入れて目の色を変えているため心配はない。もし身バレしたとしても物理で黙らせればいいだけだ。
『…入金完了、と』
手元のスマホで入金を確認し電源を落とす。道すがら見つけた屋台で適当に飯を買い、ヘルメットを被って停めていたバイクに乗り込みエンジンを吹かす。
『…とりあえず帰るか』
賑やかな街をぬけて舗装されていない道を通り、山中にある仮拠点へと戻る。猟師の山小屋を改装して住み着いており、w国、α国、δ国の3つの国の分岐点に近いためよく利用している。バイクから降りれば既に夕焼けに染まり、遠くで鳥が鳴いていた。
『…鳶』
鷹では無い。
些細な違いではあるが、必ず聞き分けてしまうのだ。
『さて、仕事探すか』
小屋へと入り雑に置いてあるPCを開く。掛け持ちすると期限がすぎて報酬が貰えないこともあるので、なるべく早く終わり且つ報酬がいいものを。暗殺任務が主体だが偶に護衛等もするため、仕事の幅は大きい。
『最も、お前のため…なんて言ったら驚くんだろうな』
自嘲気味な笑みと共に零れた言葉。
PCを閉じて古びた椅子に深く座る。手を伸ばし、PCの横にそっと置いてある2つの写真立てを手に取った。
『…父上、母上。必ずや、貴方方の意思は受け継ぐ』
『フューラー家に仕える家系として…ユラウグラル家の跡取りとして…僕は誓いを果たします』
──ユラウグラル家
嘗ては王国近衛兵を輩出する家系として王家に仕え、後に国王分家であるフューラー家直属の近衛兵として暗躍した。卓越した暗殺技術と身体能力により、内乱による王政破綻後は、王政復活の脅威になりうるとして漏れ無く処刑されたのだった。
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
