無邪気 ページ11
gr side
ゾムから受け取った小さなバッジは、白百合色に縁取られた五角形のもので、真ん中には狼のシルエットが描かれている。自身の生家であるフューラー家の家紋は鷹で、狼は昔よく遊んでいたあいつの家紋。
...これが意味することは1つ。身体の内側が、喜びに震えるのを感じる。戦争よりも、心踊る刺激が堪えられない。
──ああ、やっと。
｢…やっと会えるのだな｣
tn｢ぐ、グルさん…？｣
躊躇いがちに声をかけてきたトン氏を見やり、ついでに固まっているゾムを見る。これを渡してきた奴のことを詳しく話してくれ。そう声をかけ座り心地のいい椅子へと身を沈めた。
zm｢ええと、さっきも言ったけど大臣追ってたらそいつも尾行してきたんよ。戦闘になって俺負けてしもて、思いっ切り肩外された｣
tn｢え、肩ぁ！？ゾム大丈夫なんか！？｣
zm｢さっきペ神とこ行ってはめてもらったからへーき。そんでな、そいついきなりグルッペンのこと知ってるかって聞いてきてん。俺も警戒してたから知らんよって言ったんやけど、グルッペンが総統やってること言っちゃったんよ。そしたら急に顔色変えてニヤって笑ったん。作り笑いしてたのに、急にやで？そんでその後それ投げ渡されたんよ｣
興奮気味に話し終えたゾムはふぅ、と息を吐きだす。外されたのは左肩だろう。動かす度に顔を歪めている。
｢ゾム。そいつから何か"伝言"を預かってはいないか？｣
tn｢伝言？｣
途端にまたパァァと息を吹き返したゾムが、｢そうやった！！｣と珍しく大きな声を上げる。
zm｢なんか去り際に言っとったで！んとな、んとな…｣
必死に思い出そうとするゾムに笑いかけ、ゆっくりと口を開く。自然と目は細まり、懐かしい日々へと思いが寄せられる。
｢"交わした言葉に時効はない"……違うか？ゾム｣
zm｢そ、それや！！でもなんでグルッペン知っとるん？｣
｢そりゃあ…
俺が言った言葉だからな、ソレ｣
自分でも分かるほどに歯を出して笑顔を見せると、恐らく目をぱちくりさせているだろうゾムはともかく、トン氏までもが手で顔を覆い、この世の終わりのような声で囁いた。
tn｢今日は厄日や…｣
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
