次期妻候補争奪戦【浦島坂田船】

二人の秘密 ページ21

・



センラさんに坂田さんにも構ってやってくれ、なんて言われた日から坂田さんとまた話すようになった

坂田さんはいつも笑顔で素直に反応してくれて、こんなにも分かりやすく好意を見せてくれる人がこの世に存在するんだ、なんて大袈裟かもしれないけど、本当にそう思った


「あ、Aー！」


名前を呼び捨てにしてもいい？なんてあざとく聞かれたら頷くしかないじゃん…
という事で、AちゃんからA呼びに昇格


「今日はな、庭案内しよーと思って！」

『庭はまだ行ったことなかったです、ぜひお願いします！』

「俺のおすすめの場所も特別に教えたるな！」


そう言って手を握って歩き出す坂田さん
最初は驚いたものの、3回目くらいになるとだいぶ慣れてくる

庭に出て、といっても庭が大きすぎてどこが目的地かさっぱり見当もつかないまま、手を引かれるままに石畳の道を歩く


「Aはバラ好き？？」

『好きですよ、綺麗で、いい匂いで、でもトゲがあるなんて素敵じゃないですか』

「俺もバラ好きやねん

やから自分で育ててるんやけど、どう？？」


そう言ってジャーン、と開けた場所を主張する坂田さん


『わぁぁぁぁぁ……きれい』

「ほんま？？」

『うん…坂田さんと同じ真っ赤』

「A、気に入ってくれた？？」

『はい、とっても！』

「良かった！！」



その日は昼食の時間まで2人でそこで過ごした
うらたさんにどこに行ってたのか、と問いただされたけど


『……内緒、です！ね、坂田さん』

「！ うん、俺とAの二人の秘密やねん！」





・

緑の彼→←夜のお茶会

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す