策士な彼の愛は重い【そらる】

なるせの苦悩 ページ36

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「そらるさん、いい加減にして」



俺の肩には腕がだらんとのしかかり隣を見れば顔を赤くしたそらるさん。

これ何回目だよ



「Aがさ〜、俺の歌ってみた褒めてくれてさ〜」



それさっき聞いた。



「頬いっぱいに飯詰め込むAが超可愛くて、しかもその顔で俺に笑いかけてさぁ俺をどうしたいの」


「どうもしたくないでしょ別に」



もう本当に早くくっついてよ。
そらるさんは酔えば必ずAさんの話。

Aが全然意識してくれないだのAがとんでもなく可愛いだのいい事も悪い事も全部俺に言ってくる。


早くくっついてくれないと俺は永遠にこの惚気話を聞くことになる。

それだけは勘弁してくれ。



「……Aがまた彼氏作ったって」


「そうですか」


「俺に嬉しそうに報告してくんの」



バタンと机に突っ伏したそらるさんはハァとでかい溜息をついた。

俺は言ってやりたい。


そんなちんたらしてるとAさん結婚しちゃいますよ、と。


そうなった日には俺も地獄を見ることになる。

そらるさんを慰める俺の身にもなってほしい。



「俺に愚痴ってる暇があるならがっとキスなり押し倒すなりすればいいじゃないですか！」



怒ってる俺を見て黙り込んだそらるさんはその後俺の言葉で行動を起こしたらしい。


Aさんとそらるさんが付き合えたのって俺のおかげでは？






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