策士な彼の愛は重い【そらる】

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大会の結果は5位。
初めてにしてはいい結果だと思う。

ただ、私の中に残るモヤモヤとした気持ち。

その正体は目の前でスマホを弄ってるそらるだ。



「お待たせしました！」


「なるせ遅い」



今日はその打ち上げ。
そらるとはあの日ぶり。なるせとは1年ぶり？



「なるせ太った？」


「Aさんそのイジりまじでだるい」



3人で並んで居酒屋に入ると四人席に通される。


いや、まじか



「そらるさんなんでそっち？」


「なんでってこっちのがいいから」


「もしかして俺の事嫌い？」



私の隣の席に腰を下ろしたそらるを横目で見るとなんにも気にしてないような顔でメニューを見てる。

目の前のなるせと目が合うとニヤニヤした顔で私を見てた。

その顔嫌い


適当に頼んで料理が来るのを待つ間もくだらない話で盛り上がった。

なるせがいると場が和むし楽しい。

そらるとふたりだったら気まずくて今頃お通夜状態だったかもしれない。



「乾杯」


「おつかれー」



グラスを合わせてすぐに「A、お酒飲まないの？」と痛いとこついてくるそらる。

私の手には烏龍茶。

平然と聞いてくるそらるには答えたくない理由。


本当に意識してるのは私だけだった

あんなことがあってもそらるは普通で、私だけずっと戸惑ってる。


男は狼っていうし、ただ欲を発散したかっただけなのかもしれない。


そうやってなかったことにしたいのに出来なくて


それは、そらるがそういう人じゃないって分かってるから。

じゃあ一体全体なんなんだってなるんだけど。



「お酒はやめてるの」


「え、Aさんが？頭でも打った？」


「うるさい」



お酒を飲むとろくなことない。

にこりと含み笑いをしたそらるに気付かないふりして烏龍茶を飲んだ。






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