策士な彼の愛は重い【そらる】

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「申し訳ありません。はい、修正します」



あの日から数日。

そらるとの大事件のことも頭の片隅にありつつ仕事に明け暮れる。


もうすぐプレゼンだし、忙しい。

そして10周年も近い。


同時期にこれはキツすぎる、無理だ。
でもふたつとも成功させたい。


怒られてばかりなのと録音がやっぱり上手くいかないので気が滅入っている。

そらるのことも。


ボロボロになりながら家に帰ってスーツのままベッドに体を投げ出すとピンポーンと軽快な音で鳴ったインターホン。


こんな夜に珍しい。

あ、この前頼んだマイクが届いたのかな。


疲れから確認せずにドアを開けたことを後悔する。



「やっほ」



大きな悩みの種がまた現れた。

ぐっとすぐに扉を閉めようとしたのにそらるの足がそれを阻止してそのまま手でこじ開けられる。



「いれてよ」


「やだ」



力で勝てるわけもなくそのままドアは開いて玄関には右手に袋を持ったそらる。



「ほら、これ持ってきたしいれて」


「…私の好きな漬物」



右手を上げて袋を見せるようにするそらるはニコニコ笑ってて私が結局部屋に入れちゃうことを分かってるみたいだった。


その顔にムカついたのに結局部屋に入れてる馬鹿すぎる私。
呆れる。



「うわ、なにこの荒れた部屋」


「最近忙しかったから」



服やペットボトルが散らばった部屋を見て呟く。

まぁ当たり前だよね。


でも、そらるは「汚ぇ」と言いながら片付けてくれる。

私が忙しいと部屋がこうなることは知ってて毎回この現場に居合わせると片付けてくれる。







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