色のない世界で、君と 2【めいちゃん】

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「今から家行く、家にいて」



ツーツーと電話が切れた音が耳から入ってきてやっと頭が働き出す。

勢いで言ってしまったけどこれで良かったのか。

でも、今日私は改めてめいちゃんへの気持ちを再確認してしまってこれを今伝えないでいつ伝えるの。


なるせのためにも私は幸せにならなきゃいけない。


私の世界を知りたいと言ってくれた人。

私の世界を彩ってくれた人。


一緒に居て心地いい、でも緊張する。

ドキドキして苦しくなる。


ピンポーンとインターホンが鳴って震える手を押えながらドアを開けた。


そこには息を切らしためいちゃん。


ちゃんと顔を合わせたのはいつぶりだろう。

もう私の涙腺はバカになったみたいでめいちゃんの顔を見ただけで涙が出てきた。



「A、あの」


「ごめん勝手に出てくるの」


「部屋に入れるのがあれなら外でも全然」



めいちゃんはなにか勘違いしてるみたいで手を引いて自ら部屋の中に引き入れた。



「A？」



玄関の扉が閉まると廊下の小さい電気が不安そうなめいちゃんの顔を照らす。

狭い玄関だから自然と身体の距離も近くなってそれが私の緊張を煽る。


好きだと伝えたいのに私の口から出るのはすすり泣く声だけ。


どうにかして泣くのをやめたいのに。

なんで私はこんなに泣いてるんだろう。


そんな私を見てめいちゃんは控えめに、優しく私を包んだ。

めいちゃんの肩口に顔を埋めるとめいちゃんの香りがふわっと鼻に抜けた。



「大丈夫だよ、大丈夫」





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