【ヒプノシスマイク】末っ子 (ページ10)

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『……失礼します。』

ドアを開けるとそこは可愛いらしい大きなピンク色のクマのぬいぐるみやレースやリボンの付いた様々な服が沢山あった。

『((乱数さんらしい…』

肝心の乱数さんは沢山の資料を見て今まで見たこともないような顔つきでパソコンと睨めっこをしていた。

『((は、話しかけるの…？』

とても話しかけづらいが頼まれたからにはやらないと…。

『ら、乱数さん？』

乱数｢…。｣

『((気づいてない。』

乱数｢…ﾁｯ、決まんねぇ。｣

『!?((い、今のって乱数さんの声？』

お兄ちゃんが言っていたのって間違いなくこれ…だよね。

『ら、…乱数さん…？』

乱数｢…あ？｣

『ﾋｯ』

乱数｢…あ、あれ？A…？なんでここにいるの？｣

『え、えっと…その帝統さんに頼まれて。乱数さんの様子を見てきて欲しいって。』

乱数｢ごめんっ！僕、仕事に集中して…て……。｣

『…？乱数さん？』

乱数｢…いた。｣

『？』

乱数｢理想のモデルさんみっけ！｣

『え？』

乱数｢A！僕の春の新作のモデルになってよ！ね？いいでしょ？｣

『乱数さんが良いなら。良いですけど。』

乱数｢やったぁ！あースッキリした！こんな資料もぅいらなぁい！｣

乱数さんは文字がビッシリと並んだ資料の束をゴミ箱に捨てた。

『良いんですか？捨てて。』

乱数｢いいの、いいの。もう要らないから。それより、僕、今までずっと仕事してたから疲れちゃった。甘いもの食べに行こっ！A！｣

『あ、はい。』

乱数｢帝統にもお礼しなきゃねー。いいモデルを連れてきてくれた事だし。｣

『帝統さんならまだ玄関にいると思いますよ？』

帝統｢お、おい？大丈夫かー？｣

『ほら。』

乱数｢帝統。何コソコソしてるの？｣

帝統｢だってよぉ、お前が仕事してる時なんか誰も手に負えねぇよ！｣

乱数｢めんご、めんご！今から甘いもの食べに行くから帝統も行こう！それで許して！ね？奢るから！｣

帝統｢許す。｣

『((早っ。』

乱数｢それじゃぁ行こっか！｣

『((帝統さんってなんか…手懐けられた猫みたいなところあるなぁ。…いや犬か？』

乱数｢A？何考えてるの？｣

『なんでもないですよ。』

とりあえず、一件落着？

帝統｢そーいや、お前。兄貴に俺たちといること言わなくていいのか？｣

『お兄ちゃんにはちゃんと置き手紙してきたので大丈夫ですよ。たぶん。』

乱数｢だとしても左馬刻がAのこと怒る訳ないじゃん。｣