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Side. Yuzuru



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僕がリンクサイドでコーチと話をしていたら曲がかかった
どうやら彼女の曲のようで
別に滑っていても邪魔をしなければいいのに周りにいたスケーターは彼女の滑りを見ようとはけていく

僕はまだその後のことを知らなくて、コーチに聞いた




『どうしてみんなはけるの? 滑っててもいいのに』




見ればわかるよ、と短く奈々美コーチに告げられて大人しく視線をやる

かかった曲は白鳥の湖だった




息を飲んだ
衣装を着ていないのにまるで着ているかのような煌びやかさ
身長とは裏腹にダイナミックな動き
軽やかなステップにしなやかなスピン
シュッと氷を蹴る音
鮮やかで無駄のないジャンプ

全てに圧倒されて、ずっと彼女を目で追っていた


一羽の白鳥が湖で舞う姿が容易に想像できるほどの演技力だった



中央で最後のポーズを取る彼女に拍手を送らずにはいられなくて
隣で奈々美コーチが、あれが彼女の乙女の舞よ、と僕に教えてくれた




『あの!』

「!…はい? 」




考えるよりも体が動いていて
僕は思わず彼女に声をかけた




『今の演技、本当に感動しました』

「あ、ありがとうございます」




少し照れくさそうに笑う彼女がさっきの美しい舞を踊ったとはなかなか繋がらなくて、本当に素晴らしい演技力なんだと悟る




『突然話しかけてすみません』

「いえ、羽生選手にそう言っていただけでとても嬉しいです」

『え、僕を知ってるんですか?』

「もちろん!!」



そういう彼女はとても笑顔で、可愛いなって思う自分がいた

.→←並んだ金メダル [リクエスト]



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設定タグ:短編集 , 羽生結弦   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:星羽 | 作成日時:2018年3月7日 16時

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