パラドックス！～吸血鬼×大人気ケータイ小説家～ (ページ7)

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#4　らんからの話ページ7

side:A

　私はあのあと、早口ぎみで警察に通報してパトカーを待つ間らんから話を聞くことにした。

「らん。見たこと、聞いたこと、体験したこと。詳しく教えてくれる？」

　らんはコクりと頷いて口をゆっくりと開いた。

「あのね、、、夜中の11時くらいだったかな。窓が割れたようなパリンッって音がしたの。それで、私とかなとは目が覚めて……」

　らんが言うにはこうだった。

　夜11時に窓が割れるような音で目覚めたらんとかなと。

　だが物音は30分経っても響いていた。

　母と父はヘトヘトで爆睡していたので、気づかなかった。

　で、心配になったかなとは寝室から出た。

　すると、赤い瞳。黒い髪。歯が尖ってまるで牙のような、ヴァンパイアらしきものを見たらしい。

　って、特長を聞くたびに思うのは悠鬼に似てない？！ってこと。
　
　悠鬼は一応ヴァンパイアだし……。ヴァンパイアって皆そんなもんなのかな？

　で、話を戻すけどそのヴァンパイアらしき奴はかなとの首筋を噛んでそのままいなくなったんだって。

「お姉ちゃん、悲しくないの？」

　ぐすんぐすん、鼻を啜りながら呟くらん。

　私は腰を低くして、真っ直ぐにらんのの瞳を見つめた。

「悲しいよ？でもね。今は悲しい気持ちより、悔しい気持ちとか怒りが大きいの。」

　私の心の中では怒りがぐらぐら湧いていた。

　だが、らんに心配をかけたくないので作り笑顔で誤魔化す。

　その時、、、決心したんだ。

　かなとを殺した犯人を突き止めるって。

　犯人を見つけたところでどうなるのかは分からない。

　でも……絶対見つけて敵を打ってやる！

　待っててね、かなと。