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時刻は昼前、薄暗い路地にけたたましく鳴り響く目覚まし時計の音。
目覚まし時計の音源は、伸びたツタが異様な雰囲気を漂わせている建物の一室。
不機嫌に唸り乱暴に目覚まし時計を止めた男は、布団を蹴り飛ばしベットに座った。
まだ開ききっていない目が男の眠気を物語っていた｡
スウェットに薄手のカーディガンを羽織り、ヘアーバンドで前髪を上げただけでかなりスタイリッシュに見える彼は、この家の末っ子で五男の潤だ。
小さなコンタクトレンズのケースを片手に洗面所に行き洗顔をしてコンタクトを付けた。
このコンタクトレンズは、潤が持つ能力のせいで昼間の生活が不便な潤が他の人と同じように昼間の明るい中でも生活ができるようにしてくれる特別なコンタクトレンズだった。
兄弟たちは皆今日の早朝まで捜査していた仕事がようやく解決して、眠りについた。
もちろん潤も捜査の仕事をしていたが、この家で唯一まともな料理が作れる潤が、ご飯の準備をするために起きて来たのだ。
コーヒーを淹れつつ、昨日の夕方に作っていた煮魚に火を入れ直したりと、かなり手際の良い潤。
淹れたてのコーヒーを一口飲んで、寝る前に炊飯器にセットしていたご飯が炊けていたのを混ぜたりと、男兄弟が多いとご飯の量が半端ではない。
少しの悪態を尽きつつご飯の準備を続けていた。
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作者名：莉乃 | 作成日時：2017年6月6日 12時
