××イタズラしちゃ、メｯ！！××【及川徹】【二口堅治】【ハイキュー】

イタズラ禁止令9 ページ11

ど、どど、どうしよう？！///



キスしろよな


って口パクだったのかな？！


いや、でも勘違いかもしれないし…



う、ん……



そだよね…





もんもんと考え事しながらも家に辿り着き、重たいドアを開ける






貴「ただいま。」





誰もいないかのような静けさ




2階から微かに聞こえるキーボードを打つ音





人は、いる





けど、


何度言っても、だれもおかえりと言ってこない





おかえりって、帰ってこない






貴「お母さん、ご飯、なにがいい？」
母「適当にして」
貴「うん」




当然のように私はご飯を作る



お父さんは仕事で帰ってこないが、お母さんはたまに家にいる



仕事が溜まっている時は帰ってくるみたいでさ



まぁ、とにかく、寂しいなんて思った事はない。




だって、これが普通なら、それ以上にでも、以下にでもなるわけでもない



あったとしても、ほんの些細な出来事だけ。




貴「…」



たとえ親に“いらない子”と、思われていても、なにも憎めない



憎んでも、何かをすることはできない



あんなんでも、私の親だから




何を言われても、親な事には変わりない





でも。



あの日から、ずっと夜中に喧嘩してる









ずっと、ずっと…


たまにお父さんは浮気相手を連れてくる


お母さんが居ない日を狙って、寝室に連れ込んで、夜になると甘い声がいつも聞こえる


お母さんは浮気相手は居ないように見えるけど、会社で浮気してる




この前、携帯を覗いた時、俺と一緒に暮らして幸せになろうって、書いてあった






私は、どうすればいいんだろう






両親から捨てられる日を、私は待っているのかもしれない






もしも、もしもそんな事が起きたら






私はどうすればいいんだろう。





貴「お母さん、ご飯できた」

母「あとで食べる」




そう言っていつも食べない





たまに食べてくれる日はあるけど




いつも何処かへ行ってしまう



浮気相手とディナーでもしているのだろう






カチャ、カチャ





食器がなる音と、ただの無音




3つあった椅子は、いつの間にか一つになっていて



片付けた後、ラップを巻いたふたつのご飯の入ったお皿



朝起きると、昨日と何も変わらないテーブル






どことなく、悲しい感情が出てくる。







きっとこれは、気の所為







きっと…____________

イタズラ禁止令10→←イタズラ禁止令8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す