××イタズラしちゃ、メｯ！！××【及川徹】【二口堅治】【ハイキュー】

イタズラ禁止令10 ページ12

及川side






貴「おっはよーございマース！！」






元気な声で笑顔を浮かべながら体育館に入ってくるAちゃん




でも、その笑顔は、まるで作り笑いのように綺麗で







及「やぁやぁAちゃん☆なんで昨日は部活来なかったのかなぁ？」

貴「ちょ、ちょっとした出来事がありましてー……」







すこし悲しい顔をしてから目を泳がせて




俺と目線を合わせないけど、耳元が薄く赤くしている



昨日、なにかあったと言っているようなもんだ




でも、その顔に何故だか嫉妬を覚えてしまって





俺がAの顔を赤くさせたい




そう思ってしまう







及「まぁ許すけどね！！わさびの件ももう忘れるから、もう二度とわさびはやめてよね！！」

貴「わさびはやりません！！」






でも、もうちょっとイタズラの仕返しを利用して

Aちゃんと一緒に居たかった、なんて




思っちゃう俺って、馬鹿だなぁ







貴「及川さん？どうしました？」

及「ん？！なんでもないよ？？」

貴「熱でも出たのかと思いました、良かったです」






少し微笑して、綺麗な笑顔を見せるA


そういうのは、ズルイと思う。






でも、その前に、さっき見せた悲しい顔が気になる





及「Aちゃん」

貴「はい？」

及「なんかあった？」

貴「…別に何もありませんけど……？？」




少し間を開けて答えた


その少しの間に見せたその顔は、やっぱり悲しい顔で





及「なにかあったら及川さんに相談してよね！！」





少しでもその顔を浮かべさせないように俺は言った





貴「…ありがとうございます！！」





でもやっぱり悲しい表情は抜けない

目元をよく見てみると、さっき耳元が赤くなっていて気付かなかった涙の跡が残っている





及「Aちゃん、泣いた？」

貴「っ、あ、昨日見た〇ランダースの犬のパトラッシ〇を見てたら、涙が……」




思い出したかのように嘘泣きをするAちゃん



及「〇トラッシュ、僕はもう……」

貴「パトラッシ〇っ！！！！！死んじゃダメだ！！！」

岩「お前ら黙れ！！ってか及川は練習しろ！！」





岩ちゃんの怒り声でそそくさと練習に入る俺達


横目でAちゃんを追ってみると、暗い表情。




〇トラッシュのせいで泣いたんじゃない、もっと他に理由がある








Aちゃんの裏に、なにか、悲しい事がある。








今、俺はAちゃんのために何が出来る？

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