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「実弥…、なんで、」
「俺に触って欲しいんだろ?」
ニヤリと笑った実弥は、私のボタンに指を引っ掛ける。
もちろんわたしも図星な訳で、先程から口元を避けて口付けをする実弥に不満がある
「A、おねだりしてみろよ、俺に。」
「なんで、そんなことっ」
「口元寂しいんだろ、」
寂しい場所まで察しがついている彼は、面白そうに話を続ける
「一言いうだけでいいんだぜ」
実弥の手が急かすように体をなぞる
「どうして欲しいんだよ」
戸惑って言葉が出てこない私は、口をきゅっと結ぶが欲には勝てなかった
「…、して。」
「聞こえねェ」
意を決して、私は実弥の目を、期待を孕んだ目で見つめてしまった
「口にして…。」
「して下さい、だろ。」
恥ずかしさで顔に熱が集まるが、ここまできたら引き返すことはできないのだ
「口にしてください…」
「いい子だ」
今まで焦らされた分が、帰ってくる
愛を確かめ合うような口付けに、身体の力が抜けていく
「んぅ、ぁ…」
「はっ、惚けた顔だな。お前今、最高に俺好みの顔してんなァ」
「なにその、いつもは好みじゃないみたいな」
「不満かよ」
「当たり前だよ」
「いつもかわいいに決まってんだろォ、言わせんな」
私はのせられっぱなしで嫌になって、実弥の肌に口を寄せる
「なにして、いってェ」
赤く染まっていく胸元が、とても満足な気持ちにさせてくれる
「んぅっ…、ふふ。私の跡でいっぱいだね」
「おまえ、覚悟しろよ。」
実弥は仕返しをするように、目立つような場所に跡をつけていく
「ぁぅ…。」
「Aも、人のこと言えねぇ体だなァ」
「実弥も、明日は前閉めなきゃいけないね」
「あァ?別に閉める必要ねぇだろ」
高揚感を隠しきれていない表情で私を見下ろし
「お前も、見せつけるための跡だろうが」
翌日、大胆に前を開けて鬼退治をしている風柱様の体の噂が広まり
隊士達は気軽に胸元を見れなくなった。
一方で、恥ずかしい記憶が残っている不死川は頭をかかえてしばらく立ち直れなかった。
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廣岡唯 - しのぶさん愛しているぞ村田さん大好きだ (2023年4月2日 15時) (レス) @page17 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
黒犬(プロフ) - kanaさん» はじめまして!こちらこそお読み下さりありがとうございます!きゅんきゅんしてくれて嬉しいです(*´`)最後の村田にこれからも癒されちゃってください! (2021年9月1日 21時) (レス) id: 43c30b8faa (このIDを非表示/違反報告)
黒犬(プロフ) - ぱーむくーへんさん» お粗末さまです!拙い文章をお読み下さりありがとうございました(*´`) (2021年9月1日 21時) (レス) id: 43c30b8faa (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - 初めまして!^^*完結おめでとうございます!(*´-`*)どのお話もキュンキュンしました(/ω\*)最後の村田さん,イケメンすぎました!(/// ^///) (2021年4月26日 22時) (レス) id: d202a80bf0 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーむくーへん - 村田さぁぁぁぁん!!!イケメンが過ぎる。しゅきってなりましたありがとうございますごちそうさまでした (2021年4月17日 15時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒犬×96 | 作成日時:2020年3月19日 21時