所謂カイ潔に挟まれる女。【ブルーロック】 (ページ21)

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21 お前を。ページ21

カイザースラム出身説好きなんですけど、243話見たらあまりそういう気配が無かったんで違うのかなと自己完結しましたが、何にせよ母親に愛されて母親を愛してきた人生では無さそうだな、と勝手に思っています。(今回の話は作者の幻覚や妄想が強めだと言いたい)

＿＿＿＿＿
三間side。

「まあ、、、確かに愛に溢れた人だよ。心配性とも言えなくはないけど」

ベッドのサイドテーブルに置いた本の中に挟まっている押花の栞。これも母がお守りとして作ってくれたものだった。

「私の生活はどこにいても母親の気配を感じる。母親って偉大だよね」

「オレにはよく分からないが」

「ふーん、、、」

カイザーは先程と打って変わって、無表情顔でその長いまつ毛で目を伏せていた。

「俺の母親はたいして俺を好いていなかったんだと思う。俺を産んだのは父親の意思を尊重した結果からなのか知らないが、子供はどちらかと言うと嫌いだったんだと思う」

「まァ、その父親もすぐどっか行ったが」

「そ。カイザーは自分の母親が嫌い？」

カイザーは何かを思い出すかのように数秒黙り込んで、その後に目を細くした。

「どちらでもない。好きの裏返しは普通だからな。嫌いでもないし、好きでもない。無関心とも言えるな」

私はそう答えたカイザーへ、僅かに笑って見せた。

「それでも私は君のお母さんに感謝したいな。カイザーを産んでくれたこと」

カイザーは驚いたような顔をした。

「君がいないサッカーが想像できなくなっちゃった。並んだと思ったらいつの間にか前にいて、常に想像の先を行く私のライバル、ミヒャエル・カイザーを産んでくれてありがとう！って」

「＿＿＿＿＿絶対」

絶対、お前を叩き潰すからな。

そう、顰めたような、泣きそうなような、複雑な表情に私はまた笑いをこぼした。