弦なき弓に羽抜け鳥。2【ツルネ】 (ページ3)

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水景side。

県大会前日の練習は、皆的中率も高かった。小野木も自然な弓返りが出来ていたし、湊も、どんどん会が保てるようになってきていた。

次の日。県大会当日だ。

「遅いな、マサさん、、、」

「だね、、、」

会場の待機場所で、小野木達が心配そうに話している。

「連絡してみた？」

「既読がつかないし、メールも反応無いから、直接電話かけてみたけど、、、」

どうやら、電話も繋がらないらしい。

そんなとき、「おーい！」と聞きなれた男性の声が聞こえてそちらを見る。

「！中崎さん」

それは中崎さんで、酷く焦ったように走って来た。

「ここだったか、、、！」

方で息をしている中崎さん。何かあったのか？

「どうしたんですか？そんなに慌てて、、、」

竹早が尋ねると、中崎さんは深刻な表情で「落ち着いて聞いてくれ」と言った。

「蓮から俺の方に知らせがあった、、、雅貴のやつ、、昨夜、車を運転してて、事故に遭ったそうだ、、、！」

「っ！」

皆目を見開く。自分の心臓が、ばくばくとうるさくなるのが分かった。