単純に頭が悪い。【ツルネ】

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甲夜side。




私が引き終えると、スクワットをしていた大田黒が二階堂へ尋ねる。



「俺、弽が欲しいんだけど、全国大会終わってからにすべき？でもちょっと中指が当たる気がするんだよなあー」



「弽かー、、、どうだろうな？ちょっと聞いてみる」



そう言ってスマホの画面を開いた二階堂。

多分、いつもお世話になっている人にまた尋ねているんだろう。



「お、二階堂のブレーンに？」






「その人が監督になってくれればいいのに」



荒垣部長がそう言うと、二階堂は少しばかり、笑顔のまま表情の色が暗くなる。



「、、、、や、今のフリーダムがいいんじゃないすか？今更口うるさい指導者とかいらないし！」














ﾀﾝｯ！






「つまるところ、弓道なんて当たればいいんすよ」



「一言かよ？」


「それ以外に何かあるかー？作法だの体配だの礼儀だの、当たらないヤツが言ってもダサいだけだろ」




部長も頷いている。

私は、、、まあなんとも言えないけど、実戦志向の流派である斜面の方が性に合っている気がする。



「桐先は当ててるけど？」


「、、、五人中三人が化け物だからな」




二階堂ってすぐ表情に出るよねー。分かりやすくてかわいー！



うん、それにしても桐先の化け物三人、、、。



「部長の本村。同じく三年の佐瀬。そして藤原ね」



確認するように私がそう言うと、大田黒が笑う。



「だが、手の届かない相手じゃないだろ？」



「実際、県大会でも準優勝だったし」

「優勝は風舞だっけ」

「全然大したこと無かったよ？」

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