12話 ページ15
A視点
今日は休日。
丁度いい機会だと思い、たくさんある部屋を端から順に掃除をしているところだった。
突然土砂降りの雨。
まずい、洗濯物を干してるんだった、と思い、傘もささずに外へ駆け出す。
__これはもう一回洗濯か…
なんて思いながら洗濯物を取り込んでいると
「あれ、せんせーじゃん」
大音量の雨音の中から聞いたことのある声が鼓膜を震わす。
「五条君、何してるんですかこんな所で。」
見たところ傘も持っていないようだ。
「んー?別に何もしてないけど」
じゃ、と手をヒラヒラと振り、去って行こうとする五条を呼び止める。
「そのままじゃ風邪ひきますよ。家で良ければあがってって下さい。」
は?何で行かないといけないの?なんて機嫌悪く言う五条にハァ、とため息をつく。
「いいから来なさい。」
足、怪我してるでしょう?
そう言うと五条は肩をビクッと揺らす。
そのまま僕は五条の腕を引き、客間に連れて行った。
「ごめん棘、救急箱持ってきてくれるか?」
客室から顔だけを出し、そう叫ぶと、しゃけ!、という声のあとにトテトテトテと一生懸命な足音が聞こえる。
「つなまよ?」
小さな腕で大きな救急箱を抱えた棘が顔を出す。
「いや、怪我したのは僕じゃなくてこいつ」
五条は棘の顔をまじまじと見つめると、にてねー、とこぼす。
「ありがとう棘」
君もお礼くらい言えないんですか、とジトッと見つめるが「つなまよ〜」と言って棘は去って行った。
「はぁ、全く…。先にお風呂に入って下さい。あんまり痛むようでしたら先に治療しますが」
どうしますか、と聞くが、別にどっちでも、と言うので先にお風呂に入らせた。
「呪霊にやられたんですか?」
そんな雑魚でしたっけ君?
治療しながらそう問うと、なわけねぇだろ、と長い足がとんでくる。
「呪霊倒し終わった後、雨が降ってきたから走って帰ろうとしたら足挫いたんだよ」
そうぶっきらぼうに言う。
今日は夏油と遊びに行くと教室で予定を立てていた筈だ。
__きっと喧嘩して意地張って帰りにくかったんだろうな。
ただ転んだだけなら受け身だってとれるだろうし、足を挫く事も無いだろう。
何か直ぐには帰れない理由がほしかったのか。
今日の機嫌の悪さもそれが原因だろう。
「何でせんせーは気づいたの?」
五条は俯いたまま問う。
怪我ですか?と聞くと、そー、と答える。
「俺は最強なんだから怪我何かするわけねーじゃん」
ーーーーー
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nanox(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます。申し訳ありません!編集の時に間違えて全体公開してしまってまして……もう外したので大丈夫だと思います!わざわざありがとうございます!嬉しいです。 (2021年4月17日 3時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています。棘君と主人公君とのほのぼのとした日常がとても癒されます…宜しければ続編の保護パスワードを教えて下さい。このご時世の中ですがお体に気を付け下さい。いつも素敵な小説をありがとう御座います。 (2021年4月16日 23時) (レス) id: d0bea6ab41 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - EVENINGさん» コメントありがとうございます。実はマフラーの色は作者が優柔不断すぎて未だに決められていないんです…。青や黒など落ち着いた色を普段使いしてそうなイメージですね。季節や気分でも変えると思います。曖昧ですいません… (2021年3月26日 22時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - 下のコメント間違えましたすみません。マフラーの色何色がいいですか?これからも頑張ってください。 (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - あの、マフラーの色は何色ですか? (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanox | 作成日時:2021年2月28日 23時