11話 ページ14
棘視点
狗巻棘は困惑していた。
お昼。
今日は12時には帰ってくると言っていたはずの父が、1時間待っても帰って来ない。
__おなか、すいたなぁ…
よっこらせっ、と立ち上がり固定電話のある所まで椅子を運ぶ。
椅子によじ登り、電話の横においてあるメモをとってみる。
__"呪術高専"…?なんて書いてあるんだろう?
しかし、その下には少し雑な父の字で"こまったられんらくするように"と平仮名で書かれてあった。
よしっ、と決意を固め、受話器を握る。
番号を打ち込み耳にあてると、プルルルルル、プルルルルルという音の後にガチャッと電話が取られる音がする。
「たったかな!」
「もしもし、東京都立呪術専門高等学校です。えっと……高菜?」
「おかかっ、めんたいこ!」
「明太子…?えっとイタズラ電話かなぁ?」
「おかかぁ……!」
父はどうしたのか聞きたいのに何一つとして伝わってくれない。
あのー夜蛾先生?イタズラ電話っぽいんですけど…、とイタズラ電話に間違われる始末。
もう無理か……と思い電話を切ろうとすると、突然先程とは違う声が聞こえる。
「お前…狗巻棘か?」
〜〜〜〜〜
夜蛾先生は父の友達だった様だ。
警戒しながらも迎えに来てくれた夜蛾について呪術高専に向かう途中、僕の知らない父の話をたくさん教えてくれた。
今日の父は教え子と戦って怪我をしてしまったようだ。
__だいじょうぶなのかなぁ……
心配だったが、こっちで待ってて、と言われた部屋で待つ事しかできなかった。
その部屋はお人形さんがたくさんいたのだが、何より驚いたのはパンダがいた事だ。
「よお、お前なんて言うんだ?」
「つ、つな…」
しゃべるパンダに困惑しながらも、鞄に付けているネームタグを見せる。
棘っていうのか、俺パンダ、よろしくな、と握手を求められる。
__も、もふもふだ…!
「つなつな、高菜!」「お、いいぜー何する?」「こんぶー!」「いいなあそれ」
一緒に遊んで、ご飯も食べた。
彼は聞き返す事はあれどほとんど汲み取ってくれた。魔法使いなんだろうか。
かくれんぼをしていると、
「Aが目を覚ましたらしい」
夜蛾先生が走って来てくれたようだ。
僕はかくれんぼの最中であることも忘れお人形の裏から飛び出し走って夜蛾先生についていった。
到着すると、今にも帰ろうとしているパパの足にしがみつく。
パパは謝ってたけど、とげはお友達もできてパパの疲れも取れてだいまんぞくです!
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nanox(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます。申し訳ありません!編集の時に間違えて全体公開してしまってまして……もう外したので大丈夫だと思います!わざわざありがとうございます!嬉しいです。 (2021年4月17日 3時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています。棘君と主人公君とのほのぼのとした日常がとても癒されます…宜しければ続編の保護パスワードを教えて下さい。このご時世の中ですがお体に気を付け下さい。いつも素敵な小説をありがとう御座います。 (2021年4月16日 23時) (レス) id: d0bea6ab41 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - EVENINGさん» コメントありがとうございます。実はマフラーの色は作者が優柔不断すぎて未だに決められていないんです…。青や黒など落ち着いた色を普段使いしてそうなイメージですね。季節や気分でも変えると思います。曖昧ですいません… (2021年3月26日 22時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - 下のコメント間違えましたすみません。マフラーの色何色がいいですか?これからも頑張ってください。 (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - あの、マフラーの色は何色ですか? (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanox | 作成日時:2021年2月28日 23時