22話 ページ25
庵視点
__「僕の息子見てないですか!?」
私にまで電話が掛かってくるなんて、よっぽどの事態なんだろう。
「狗巻先生からの電話だった」
ごめんごめん、と硝子のもとへ駆け寄る。
今日は学校が休みで任務もなかったので、硝子と少し遠出してショッピングに来ている。
色んな店をまわって、ヘトヘトになってカフェで休憩していた時、急に電話が掛かってきた。
「先生から電話が掛かってくるなんて珍しいな」
ちょっと出てくる、と硝子に待っててもらったのだ。
「なんかしたんです?」
帰ってきた私に硝子がニヤニヤしながら聞いてくる。
「いや、なんか息子さんが行方不明らしくてね、」
もしかしたら硝子にも掛かってくるかもね、なんて言いながら説明をする。
プルルルルル、プルルルルル
「え、本当に掛かってきたじゃん」
出ちゃおう、と硝子はこの場で電話に出た。
「いやー見てないです」
硝子の言葉を聞いている感じ、矢張り内容は同じ様だ。
「見かけたら電話しまーす」
そう言い、硝子は電話を切った。
それからまた色んな店をまわった後、もう帰ろうと思い、帰り道を歩いていた。
その時、
「アソぼ!あソボ!」
「グスッ…」
呪霊の声と子供の泣き声のようなものが聞こえた。
「硝子、行くよ!」
私達は声のする方へ走った。
「はぁ!」
後ろから奇襲を仕掛けると、その呪霊は雑魚だった様で簡単に倒れた。
「大丈夫ー?」
「…ッしゃけ、」
硝子は子供に怪我が無いか聞いている。
__あれ?この子何処かで……
__『クリーム色の髪の毛で、髪型は僕と同じ様な感じです。口元を隠すような格好をしていて、語彙はおにぎりの具です。』
「…………あ!!」
急に私がそう叫ぶと硝子はビクッと肩を揺らし、何?と聞いてくる。
「狗巻先生の息子さんじゃない!?」
ほら、どことなく似てるし!と言うと硝子は確かにといった様子で頷く。
「君、名前は?」
「つなまよッ…」
__そうだった!語彙がおにぎりの具だったっ!
どうしよう…と考えていると、硝子は、ちょっと失礼、とその子供の口元を晒した。
「…!狗巻家の呪印、ってことはやっぱり…!」
狗巻Aさんって知ってる?と聞くと、その子は涙を流しながら「しゃけッ、しゃけっ!」と答えた。
これはビンゴだな、と思った私は再び先生に電話するも、なかなか出ない。
どうしよかと考えながら無心で電話を掛け続けていると、やっと先生は出た。
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nanox(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます。申し訳ありません!編集の時に間違えて全体公開してしまってまして……もう外したので大丈夫だと思います!わざわざありがとうございます!嬉しいです。 (2021年4月17日 3時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています。棘君と主人公君とのほのぼのとした日常がとても癒されます…宜しければ続編の保護パスワードを教えて下さい。このご時世の中ですがお体に気を付け下さい。いつも素敵な小説をありがとう御座います。 (2021年4月16日 23時) (レス) id: d0bea6ab41 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - EVENINGさん» コメントありがとうございます。実はマフラーの色は作者が優柔不断すぎて未だに決められていないんです…。青や黒など落ち着いた色を普段使いしてそうなイメージですね。季節や気分でも変えると思います。曖昧ですいません… (2021年3月26日 22時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - 下のコメント間違えましたすみません。マフラーの色何色がいいですか?これからも頑張ってください。 (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - あの、マフラーの色は何色ですか? (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanox | 作成日時:2021年2月28日 23時