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長く暗いトンネルは音が良く響く。

奥に行くほど景色は黒くぼやけてしまう。

絵の具を溶かした水を紙に落とした時のように、その色はどんどん滲んで広がる。

帽子をかぶった男、中原中也は、足でテンポを取りながら歌を歌ってどんどん奥へと突き進む。

暗いところには慣れているようだった。

その時彼は自分と違う足音に気づいて足を止めた。

与謝野と賢治だ。

鉈をもって堂々と立つ与謝野と、体育の授業の時の『休め』の体勢の賢治がその場を塞いでいた。

中原はわざとらしく大きなため息をつき、耳に小指を突っ込む。


中原「たった2人か。見くびられた話だぜ」

与謝野「探偵社は事前予約制でねェ

対応が不満なら余所をあたりな」


簡単な挑発には与謝野も挑発で返す。

中原は目をギロりと開いてそれを否定する。

中原「マフィアが敵拠点で暴れるのに予約がいると思うか?」

宮沢「はい!要らないと思います!」


賢治が手を挙げ彼の問に元気よく答える。

良くも悪くも正直だ。

考えることがよくわかっていないのか、考え方が根本的に違うのか…

与謝野は少々呆れていたが、手を頭にやり目を伏せた。

与謝野「賢治の言う通りだよ。暴れたいなら好きにしな。

けどアンタは暴れに来たんじゃない。だろ?」


目を少し開き中原を見据える。

中原は与謝野のめをしっかり見て聞き返す。


中原「ほう。何故そう思う?」


呆れ顔で与謝野は「うちは探偵だよ」と返す。


与謝野「訪客の目的位、人目で見抜けなくてどうするンだい」


監視カメラで乱歩はそれを見ている。

淡々と、止まることなく進む会話。

けれど誰も焦ったりしない。


中原「お宅の社長は?」


与謝野がクイッと手を頭の後ろへ向ける。

社長がたっているわけではなく、そこにはカメラがあった。

中原が懐を探り一枚の紙、否、写真をカメラに向けた。

中原「うちの首領(ボス)からお宅等に贈品(プレゼント)だ」

そこに写っていたのはジョン・スタインベック、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの二人。

彼らが歩いているのは田舎の道。

パソコンの画面からそれを覗いた福沢が、その正体に気づく。

福沢「此は・・・組合(ギルド)の団員?」

中原は、それを指さし明るい口調でにこやかに話す。

中原「奴らを『餌』で釣った。

現れる場所と時間も此処に書いてある。

煮るなり焼くなりご自由にどうぞ」

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なのか - すごく面白かったです!! (2022年4月3日 22時) (レス) @page9 id: 2fef72e0d0 (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - 一気見しました!面白かったです!更新頑張ってくださいね(*≧∀≦*) (2016年11月7日 22時) (レス) id: 4d48430878 (このIDを非表示/違反報告)
いな - うわぁああああああああああああああああああああんっ!!!遂に更新停止してしまったよっ!楽しみにしてるので更新してください!! (2016年7月27日 14時) (レス) id: 1536a576c8 (このIDを非表示/違反報告)
露紫紺(プロフ) - 87号さん» 返信が遅くなってすみません。閲覧ありがとうございます!これからは時間を作って更新していくつもりです(汗)。本当にすみません・・・コメントありがとうございました!頑張るので、よければこれからもよろしくお願いします! (2016年5月16日 20時) (レス) id: f5d5f47ac1 (このIDを非表示/違反報告)
87号 - 面白かったです!頑張ってください! (2016年4月25日 21時) (レス) id: c9e850eec7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:露紫紺 | 作成日時:2016年3月9日 17時

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