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雲泥に沈む ページ22

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最近、Aの様子がおかしい。



どこをどうって具体的に言うと分からないが
とにかく、違うのだ。




いつも通りのプロデュース

いつも通りの授業

いつも通りの昼休み



全てが変わりない

だが、感じるのだ。ほんの数ミリの違和感を。




「おい、A
今日はKnightsのプロデュースのはずだろう?
月永にこれを提出してくれと言ってくれ」



生徒会から提出してほしい書類があったので
リーダーの月永に渡してもらおうと
ほっそりとした腕を掴んだ




『おっけー。きちんと渡しとくよ』


「…貴様、寝ているのか?」





クマは見当たらないがどことなく疲れているようだ

掴んだ腕もあんなに細かっただろうか




『蓮巳ちゃん心配してくれてるの?
大丈夫。元気いっぱいだからさ』




それ以上の追求は許さない
そんな瞳で微笑まれる。


そうか、と手を離せばスタスタと廊下を歩いていくのを見つめる


抱え込むなんてあいつらしくもない。


フッと目を細めて踵を返し
生徒会室へ戻ろうと廊下を曲がる。



するとぬっと吸血鬼が青白い顔で
フラフラと現れぶつかりかけた。




「うお、朔間さん」


「ん〜?なんじゃ、蓮巳くんかえ?」


「足元がおぼつかないようだが大丈夫か?」


「なんとかの〜
流石に午後の授業に出んと単位もらえないし」




今年こそ卒業する気のあるらしい吸血鬼
ファンの前の堂々たる姿とは想像もつかない



まぁこれがギャップ萌えというやつか




「朔間さん、少し聞きたいことがあるんだが」


「おや、珍しい。蓮巳くんともあろう者が
我輩の知恵袋に教えを乞おうというのかえ?」





喉を鳴らして笑う吸血鬼にイラついたのは事実だが

ここは大人になろうとグッと飲み込んだ。




「Aの事なんだが」




ピシリ


確かに、確かに敬人はその時


廊下の空気が凍るのと
一瞬だけだが息を吹き返した魔王を見た






.

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多趣味のM(プロフ) - え、続きはないんですか??めっちゃ気になります (2021年9月5日 11時) (レス) id: f8e0dd5819 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイスてぃー。 | 作成日時:2019年4月5日 21時

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