資格 ページ25
太宰side
…今更事実を知り、
謝ったところで現状がどうかなるということは無い
巧みに隠していたとはいえ、
長年嫌われ続けて辛かったのでは…
数秒の間に沈黙が流れる。私はただただ守るべき存在から、
ずっと守られていたのだという事実に打ちのめされていた。
もう10数年は名前を呼んでいない、
異能を持っていないとわかった日から私は蔑み続けた。
今更……今更名前を呼んだって嘆かわしいだけなのでは
一向に話が進まないままそういうことばかり考えてしまう。
太宰｢……私は、もう君の兄ではないよ、｣
『………義理の家族が、私には居るからですか』
太宰｢そうじゃない、…私には何も資格がない｣
名前を呼ぶことも、"兄"であることも、
ずっと否定し続け、蔑んできた私には
『…資格なんて、必要ないじゃないですか』
太宰｢…！｣
『…それが兄さんの理想なら、それでいいじゃないですか、
……資格とかそんなのは関係ありません、勿論、
過去は無かったことになんてできません。
終わってしまったことは仕方の無いことです。
バレてしまったので、もう隠す必要は無いですが、極力
…暴走するのが怖いので、兄さんの前では
あまり使わないよう努力しま…｢…A｣……！！』
太宰｢…本当に、……すまなかった…｣
私を、生かせるためだけに自ら嫌われ役になり、
いつも私についてきていた、あの時も、
下半身動かなくなってまで庇って、車椅子生活を強いらせた。
…許されざることをした…今更……
『…責めてなどいません、
私は兄さんが生きてるだけで充分なので、
そもそも私が兄さんをかえって後悔してしまうのが
予測できなかった不手際です。』
太宰｢…本当に、昔から変わっていない、｣
『兄さんも、素直では無いところは相変わらずで』
私も彼女につられて微笑んだ、
…確かに、彼女は己から私を守るために自分を犠牲にした。
その覚悟があったからなのか、私を許さないとは言わなかった
2人とも目に少し涙を溜めて、まるで我慢比べのよう
になっていて、気づいた私と彼女は含み笑いをした。
そうだ、Aは、私を憎んでなどいない、
むしろ、"まだ"私のことを兄として、家族、血縁者として
見てくれている。
太宰｢ありがとう、A、｣
『いえ、当たり前の事しただけですよ』
私も、さすがに"妹"として見なければと決心した。
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さて、鳳舞です！
ついに次回が最終回となります
長らく愛読してくださりありがとうございます！
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (3月25日 0時) (
レス) @page26 id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
ボンクラMONKEY ﾋﾟｰﾔの人(プロフ) - めっちゃ面白かった……太宰兄妹、良かったね。 (2022年9月14日 20時) (レス) @page26 id: 7a2b040506 (このIDを非表示/違反報告)
えった(プロフ) - お疲れ様でした!楽しく読ませていただきました。ありがとうございました!m(_ _)m (2020年3月25日 21時) (レス) id: df49f1b8c8 (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 今回も楽しく読めましたσ(o・ω・o) 此れからも頑張って下さいσ(o・ω・o) (2020年1月12日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
有原霊花(プロフ) - 久々の投稿！！！ (2020年1月9日 16時) (レス) id: de42e9fdeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳舞 | 作成日時：2019年7月10日 9時
