【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS (ページ28)

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恋敵ページ28

「今すぐ荷物をまとめて、田舎に帰れ。」
「それか別の下宿へ引っ越したまえ。」

え、僕にこの聖域(サンクチュアリ)から出て行けって言うの？！

「……そ、それだけは嫌です！！」
「おふくろさんは歓迎してくれるだろうが。」
「それが嫌なんです！」
僕はドン、と拳でテーブルを叩いた。
もし帰ったら、一生レタスにレタスにレタスにレタスの悲惨な生活が続く事になるに決まってるんだ。だからここに引っ越したんだよ！
それはシャーロックさんも、今朝の推理で分かってたでしょ？！

「僕はサンクチュアリと同等の下宿をいくつか知っている。実家が嫌なら、そこへ引っ越せば良いよ。」
リーフさん、悪いけど全然ありがたくない！
「それも嫌です！」
僕が首を振ると、シャーロックさんとリーフさんは溜め息を付いた。

「……『嫌だ嫌だ』ばっかりだな。これは、お前が命を落とす事なく(・・・・・・・・)この先平穏に暮らして行く為の提案なんだぜ？」
「どうして此処に住む事に、そう固執するんだ。」
「ど、どうしてかって言うと……。」
しばらく迷ったけども、僕はええいままよと思い切って言ってしまった。

「ぼ、僕は……、ユウミさんが好きだからです！！」

部屋はまたしても秒針の音が聞こえる位に静まり返った。

うぁぁ、恥ずかしくて顔から火が出そうだ……！
もうちょっと言い方考えれば良かった！
僕が頭を抱えていると、
「……コホン、コホン。」
シャーロックさんがわざとらしい咳払いをした。

「なら、尚更だ。」
「……は？」
「今出て行った方が、心の痛みは少しだけで済むよ。」
リーフさんもそんな事を言う。
意味がわからない。

「何故なら、お前さんの望みは叶わないからだ。ユウミさんは……未来の」

そして、二人は同時にとんでもない事を言った。

「俺の嫁さんだ。」
「僕の奥さんだ。」

は？はぁぁ？！えぇっ？！
この状況をどう飲み込めば良いと言うのだ。
僕の頭はショート寸前だった。

ところが、どうやら二人も今初めて、ユウミさんにまつわるお互いの気持ちに気づいたらしい。

パニックになっている僕の頭越しに
「お前は、あの世でクレオパトラとでもよろしくやったら良いだろ！ユウミさんの旦那になるだと？ふざけるな。」とか「君こそ早くあの世へ行って、ジャンヌ・ダルクでも口説けば良いじゃないか。ユウミさんは僕のものだ。」とか罵り合っている。

でも、同じ恋敵のはずの僕は完全にかやの外だ。