検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:23,461 hit

Honeyのために2 ページ44

「すごい!そんなのを見た事があるんですか?!」
「まぁな。」
「どんな内容の?」
「俺が先に質問している。」
リーオックさんがやけに冷たい声で言い、僕は一瞬ドキリとした。

「え、…えっと……」
なんか絶対に言わなきゃいけない雰囲気になって来た。だけど、本当に言って良いものなんだろうか。
僕は迷った。

だって、「夢の中でリーオックさんはコノハヅキさんに殺されてました」とか、「コノハヅキさんは『ユウミさんとハネムーンに行く』って言いながら僕の血で薔薇を描いていました」とか、「ユウミさんはコノハヅキさんにキスされて『今が一番幸せ』って言ってました」って言ったら……ちょっと……うーん……。


僕が言い淀んでいると、リーオックさんはコーヒーをテーブルの上のソーサーにカタリと置き、指を組んだ。
「コノハヅキの奴が出て来たのか。そうだろ?」
「えっ!」
「それだけ言うのを躊躇っていたら分かるさ。」

リーオックさんってさ、もしかして歩くスキャナーマシン?
そこまで人の心を見透かせるなら、夢の内容まで見えそうなものなんだけどなぁ……。

「それで?奴は何をしていた?」
リーオックさんは尚も「内容を話せ」と催促してくる。
しかし、そう簡単に言えはしない。
「……えっと、リーオックさんは多分怒るかと……」
そう、リーオックさんが怒ったら、またコノハヅキさんとの大騒ぎが始まるでしょ?
ナイフが飛び交ったり、廊下が激戦地になったりさ……。大変な事になるに決まってるんだ。
僕は昼間の二人の乱闘を思い出して、背筋が冷える思いだった。
夢を見たなんて言わない方が良かったなぁ……。
あーあ、「藪をつついて蛇を出す」とはこの事だ。


ところが、リーオックさんは「今更、奴には腹も立たないさ。」と鼻で笑った。
「それに、お前さんの夢なんだからどうしようもないだろ。安心しろ、コノハヅキが例えば俺を殺すとか、そんな事が現実になる日は永遠に来ない。」
「そ、そうですか……。」

これってアレだよね。
遠回しに、「夢の話なんかで俺が怒る訳ない」って言ってるんだよね?
信じて良いのかな……。
リーオックさんの視線が怖いので僕は腹を決め、さっきの夢について思い出せる限りのことを話した。


話が終わると、リーオックさんは大声で笑った。
笑って笑って笑いまくり、涙を浮かべて咳き込んで、ソファに寄りかかってはまた笑った。


僕はリーオックさんのその姿に驚いて、固まった。

Honeyのために3→←Honeyのために



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.8/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
11人がお気に入り
設定タグ:冒険 , 殺し屋 , 恋愛   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シャーロック - 木の葉月さん» うん、お休み〜また明日ね! (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
木の葉月(プロフ) - シャーロックさん» 全然美人じゃ無いっすよ。ちょっと風呂入って来るんで、また明日話そ。 (2021年4月7日 23時) (レス) id: ac1426199a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック - 木の葉月さん» うわ、結構時間掛かるのね。コノハヅキはびじんだろーな〜 (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
木の葉月(プロフ) - シャーロックさん» へへっ!30分前くらいに帰ってきたで (2021年4月7日 23時) (レス) id: ac1426199a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック - 木の葉月さん» おお、お疲れ様〜! (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:木の葉月&シャーロック x他2人 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sherlock_rio?s=21  
作成日時:2020年10月3日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。