Honeyのために2 ページ44
「すごい!そんなのを見た事があるんですか?!」
「まぁな。」
「どんな内容の?」
「俺が先に質問している。」
リーオックさんがやけに冷たい声で言い、僕は一瞬ドキリとした。
「え、…えっと……」
なんか絶対に言わなきゃいけない雰囲気になって来た。だけど、本当に言って良いものなんだろうか。
僕は迷った。
だって、「夢の中でリーオックさんはコノハヅキさんに殺されてました」とか、「コノハヅキさんは『ユウミさんとハネムーンに行く』って言いながら僕の血で薔薇を描いていました」とか、「ユウミさんはコノハヅキさんにキスされて『今が一番幸せ』って言ってました」って言ったら……ちょっと……うーん……。
僕が言い淀んでいると、リーオックさんはコーヒーをテーブルの上のソーサーにカタリと置き、指を組んだ。
「コノハヅキの奴が出て来たのか。そうだろ?」
「えっ!」
「それだけ言うのを躊躇っていたら分かるさ。」
リーオックさんってさ、もしかして歩くスキャナーマシン?
そこまで人の心を見透かせるなら、夢の内容まで見えそうなものなんだけどなぁ……。
「それで?奴は何をしていた?」
リーオックさんは尚も「内容を話せ」と催促してくる。
しかし、そう簡単に言えはしない。
「……えっと、リーオックさんは多分怒るかと……」
そう、リーオックさんが怒ったら、またコノハヅキさんとの大騒ぎが始まるでしょ?
ナイフが飛び交ったり、廊下が激戦地になったりさ……。大変な事になるに決まってるんだ。
僕は昼間の二人の乱闘を思い出して、背筋が冷える思いだった。
夢を見たなんて言わない方が良かったなぁ……。
あーあ、「藪をつついて蛇を出す」とはこの事だ。
ところが、リーオックさんは「今更、奴には腹も立たないさ。」と鼻で笑った。
「それに、お前さんの夢なんだからどうしようもないだろ。安心しろ、コノハヅキが例えば俺を殺すとか、そんな事が現実になる日は永遠に来ない。」
「そ、そうですか……。」
これってアレだよね。
遠回しに、「夢の話なんかで俺が怒る訳ない」って言ってるんだよね?
信じて良いのかな……。
リーオックさんの視線が怖いので僕は腹を決め、さっきの夢について思い出せる限りのことを話した。
話が終わると、リーオックさんは大声で笑った。
笑って笑って笑いまくり、涙を浮かべて咳き込んで、ソファに寄りかかってはまた笑った。
僕はリーオックさんのその姿に驚いて、固まった。
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シャーロック - 木の葉月さん» うん、お休み〜また明日ね! (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
木の葉月(プロフ) - シャーロックさん» 全然美人じゃ無いっすよ。ちょっと風呂入って来るんで、また明日話そ。 (2021年4月7日 23時) (レス) id: ac1426199a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック - 木の葉月さん» うわ、結構時間掛かるのね。コノハヅキはびじんだろーな〜 (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
木の葉月(プロフ) - シャーロックさん» へへっ!30分前くらいに帰ってきたで (2021年4月7日 23時) (レス) id: ac1426199a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック - 木の葉月さん» おお、お疲れ様〜! (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木の葉月&シャーロック x他2人 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sherlock_rio?s=21
作成日時:2020年10月3日 18時