音の波紋を、雷へ【イナズマイレブン】 (ページ10)

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◇ サッカー嫌い？ページ10

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そして一日中勧誘をして回り、夕日が辺りを照らし始めた頃、円堂はいつも練習場として使っている鉄塔広場に来た。

Aは後ろからのんびりと着いてきている。

既に鉄塔広場には、一人の先客がいた。

「豪炎寺！」

円堂の声を聞いた豪炎寺は立ち去ろうとするが、円堂が回り込んで話しかける。

「ここ、すっげーいい所だろ！俺もここがちっちゃい頃からのお気に入りの場所なんだ！あのさ、お前も聞いてるだろ？帝国学園との練習試合！」

「…、！」

「でも、メンバー足りなくってさ、ずっと声掛けまくってんだけど誰もやってくれないんだ…なぁ、考え直してくれないかな？」

円堂が声を掛けるが、豪炎寺は答えずに顔を背けるだけだ。

「なんで…なんで辞めちゃったんだ？よかったら、話してくれないか？

勿体ないじゃないか！あれだけのキック！俺、最初に見た時鳥肌たったんだぜ？辞めたには、理由があるんだろうけど…

サッカー嫌いになった、なんて事は無いよな！好きでなきゃあんなキックは出来ないもんな！」

「…お前、よく喋るな。」

豪炎寺は至極うんざりと言った表情で円堂の方へ顔を向ける。(ちなみにAは木に寄りかかって事の様子を見ている。)

「俺さ！お前とサッカーやりたいんだよ！俺達が組んだら最強のチームが出来るぞ！」

「もう俺に話しかけるな。」

そう言い、豪炎寺は柵を飛び越えて去っていこうとするが円堂の声がかかる。

「じゃあ！なんで昨日ボールを蹴った！」

その声に振り向いた豪炎寺の表情が微かに変わった事を、Aは見逃さなかった。

「執拗いんだよ、お前は…」

今度こそ豪炎寺は、背を向け去っていってしまった。

「円堂、アイツにも色々事情があるんでしょ…、今はそれより、特訓しないの？」

「そうだな…、よし！やるか！」

＊＊＊＊

「いくよ〜」

「よし、こいっ！！」

Aはタイヤを振り上げ、自身が立っている位置までおりてきた時に蹴りを与えた。
タイヤは、勢いよく円堂に向かっていった。

「ぐっ、うわぁ！」

「…大丈夫？」

「大丈夫だ…！よし次！」

ため息を付きながら、Aはまた同じ事を繰り返す。
何度も何度も繰り返していれば、円堂はたちまちボロボロになってしまった。

「ちょっと、ほんとに大丈夫？やっぱりこんな無茶な特訓止めよーよ。」