音の波紋を、雷へ【イナズマイレブン】 (ページ26)

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◇ 帝国戦 09 ページ26

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「いやだ……！もうこんなの嫌だぁ！！！」

余りの圧倒的な暴挙に、恐れをなしてしまった目金は10番のユニフォームを脱ぎ捨て去っていった。
…そのユニフォームが、豪炎寺の前に落ちたのはなんの偶然か。

〈なんと！雷門のエースナンバー10を脱ぎ捨て、目金が試合放棄！！雷門イレブンは10人になってしまったぁあぁ！〉

「無様だなぁ」

「無理だ。」

「神童Aさえ抑えれば、お前らには俺達から二点取る事すらな。」

帝国の、嘲笑う声だけがグラウンドに響く。
所詮は弱小サッカー部、期待しただけ無駄だったのかと周りが諦めの空気になる。
そんな中。

「 ──────── まだだっ…！！」

「「「「！！！！！」」」」

「まだ、終わってねぇ…まだ、終わってねぇーぞ！！！！」

円堂の声が響く。
それを見たAは、嗚呼、と思考する。

(これだ…私がアイツのサッカーに惹かれた理由。)

だが尚も、円堂にボールをぶつけられる。
円堂の身体はもうとっくにボロボロだ。

鬼道がボールを足に持ち、円堂にボールを蹴った。

「これで…終わりだ。」

これで21点目。
そのボールが円堂の顔面にぶつからんとした時。

「 ──── ぐっ…！！」

円堂の目の前に、見慣れた茶髪の三つ編みが表れボールを遮った。
これには帝国も雷門も驚く。特に鬼道は少なくとも動揺した。
円堂は、悲痛な声を上げた。

「Aっ…！」

「大丈夫だから。円堂はゴール守ってて。」

そう言いながら、肩を押えて立ち上がったA。
そしてその赤い目で鬼道達帝国イレブンを見つめる。

「今のキミ達を……鏡で写して見せてあげたいね。」

「…、？」

「〝人をサッカーで嬲るのが楽しくて仕方ない〟って感じの顔してるよ。」

神童は、目を細める。

「それがもし、キミ達の本心からなら……心底軽蔑するね。」

そう真正面から言われた鬼道は、ピクリと表情を変えた。
帝国イレブンも少しだけ表情を変えたように見えたのは、気のせいだろうか。

そんなことをAが考えていると空気を変えるようにざわつきが広がったのがわかった。