気象系の女王系紅一点お嬢様 (ページ17)

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車で学校まで送迎してもらっているサキ。

窓の外をぼーっと眺めていると、急に車が止まった。

「お嬢様、あのお車は御村様の所の…」

「(ほんとだ…あれは、御村くんの所の…)」

そして目に入った光景は、二人が笑い合い、女の子の方が御村がいる車へ乗り込む姿。

サキは窓に当てていた手で拳を握り締めた。

「…お嬢様、」

「…出発して。気にせず。」

「、了解致しました。」

サキは背もたれに凭れ、腕で目を覆い隠す。

「いっそ、嫌いになれたらよかったな。」

＊＊＊＊

池「ねぇねぇ、今後…あたしと御村くんが付き合うっていう展開は無いかな！？」

御「無い。」

池「がーーーーん…１%とも？」

御「100%無い。」

御「(それに、俺には…)」

－過去－

「託也、お前に婚約者が出来る。」

「御相手は八神コーポレーションの社長令嬢さんよ。」

御「…はぁ。わかりました。」

そして、対面することになった二人。御村は貼り付けた笑みをサキ向けていた。

御「はじめまして。御村託也です。よろしく」

「…八神サキ、です。どうぞよろしくお願い致しますわ。」

それからは特段会話は無かった。強いて言うなら、同じ高校に通うことになったことぐらいしか分かってない。

そして、高校入学して少したった時…御村が悲鳴のあげる女子から逃げていると、見覚えのある横顔を見つけた。

御「…なにしてんの？」

「っ、！！えと…御村くん…」

御「花壇の手入れ？」

「あ、うん…」

御「なんでそんなこと？」

「…花は、とっても綺麗だから、咲く瞬間を見るととってもうれしいの。」

その時の、いつもの大人びた顔が少し崩れた無邪気な笑顔を、御村は忘れる事はないだろう。

御「(なのに、ずるずる引きずって…拗らせて。だっせぇやつ。)」