第004話【チームメイトの自覚】 ページ6
「どんなに優秀だろうが…
一生懸命だろうが…
仲間割れした挙句、チームに迷惑をかけるようなやつは…
いらない！！」
そこまで言い、入部届を顔へ押し付けながら二人を追い出した澤村。二人は未だ状況が理解出来ずぽかんとしている。
「互いがチームメイトだって自覚するまで、部活には一切参加させない！！」
そして、体育館の扉は無情にも閉められた。
……
「「ハアアァアアア─────！？」」
＊＊＊＊
体育館の外からは入れて下さいと声が聞こえている。ちらりと扉を見た菅原が澤村に向け口を開いた。
「いいのかよ大地？貴重な部員だろ？…ていうか、チームとかって徐々になってくもんだろー？」
「分かってる。が…」
澤村が口を開こうとした時、一際大きな影山の声が響く。日向とも協力する。だから参加させてくれ、と。
だが…
「─────本音は？」
ドアの隙間から目を覗かせ聞く澤村。正直に言うとホラーである。アニメだから怖さが軽減されているかもしれないがそれでもホラーである。
その圧に負けた影山は口を開く。
「試合で、今のコイツと協力するくらいなら…レシーブもスパイクもトスも全部…俺一人でやれればいいのにって思ってます…」
何でも無いように言う影山だが、ボールを落としても持ってもダメ、一人が続けて二度触るのも勿論ダメ、その様な競技のバレーでは本末転倒だ。
そして、再び体育館かの扉は閉められた。
「まあ、とりあえず今は練習だ！まずはスパイクとブロックフォローの練習、始めるぞ！」
「「「オッス！！！」」」
「夷守、ブロック頼む！」
「はい。」
＊＊＊＊
田中が飛びスパイクを打つ。だが強く打たれたそれはAの腕に阻まれた。
────────ドパァンッ！
「A、やっぱりドシャット上手いな〜、見てるこっちが惚れ惚れするもん。」
「あざっす。」
「くぅぅぅ…敵ながらにナイスドシャットだぜ…」
その時、体育館の扉が開かれマネージャーの清水潔子が入ってくる。すると田中はいつの間にかドアの所まで移動していた。
「潔子さん！お疲れ様です…！お持ちします！」
「いい、自分で持っていくから」
「潔子さん、今日も美しいっす…」
「…」
「ガン無視興奮するっす…！！」
そして開けられたままの扉を菅原が閉めた。
何かしらに見悶える田中にAは呆れた目を向けた。
「…キモ」
「今の聞こえてたぞA！！」
「聞こえる様に言ってんの。」
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年9月6日 4時
