その烏、女騎士。 (ページ5)

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第003話【堕ちた】ページ5

澤村「─────幸いにも特にお咎めなし、謝罪もいらない。」

教頭に連れられ戻ってきた澤村の言葉にホッと息を吐く一同。だが「何も見なかったことにしろ」という言葉に顔を引き攣らせた。

澤村「だがお前ら…」

影山「お前がちゃんと取らないからだヘタクソ！何が去年とは違うだ。ふざけんな！期待して損した。クソが。」

日向「いちいち一言余計だな…！」

澤村の言葉を遮りまたも言い合いを始める二人。いがみ合っている二人に「なあ」と澤村の低い声が通る。

澤村「お前らがどういう理由で烏野に来たかは知らない。けど、当然〝勝つ気〟で来てるんだろ？」

その言葉に当然と言うふうに返事する二人、澤村は腕を組みながら続ける。

─────烏野は数年前までトップを争うチームだった。1度だけだが全国にも行った経験もある。だが今は良くても県ベスト8、弱くも強くもない。他校からの呼び名は

澤村「〝堕ちた強豪飛べないカラス〟…烏野が全国大会に出た時の事はよく覚えている。

近所の高校のたまにそこらですれ違う高校生が…東京のでっかい体育館で全国の猛者たちと戦っている…鳥肌が立ったよ。」

「もう一度、彼処へ行く！」

そう言いきった澤村。だが影山は恐れ知らずなのかただの天然なのか、平坦な声で澤村へ声をかけた。

影山「…全国出場を、とりあえずの夢として掲げてる夢なんて…いくらでもありますよ。」

澤村「心配しなくても、─────ちゃんと本気だよ。」

澤村の表情に思わず影山も吃る。それに気付いてか気付いてないのか澤村はそのまま続けた。

澤村「その為には、チーム一丸とならなきゃいけないし…教頭にも目をつけられたくないわけだよ」

そしてそのまま影山と日向の方へと足を進める澤村。顔を引き攣らせたA達は巻き込まれないように横へ避ける。

澤村「俺はさ、お前らにお友達になれって言ってんじゃ無いのね…中学のときにネットを挟んだ敵同士だったとしても…

今はネットの、こっち側同士だって事を自覚しなさいって…

言ってんのね？」

低い声をさらに低くしながらそういう澤村の顔ははっきりいって怖い。ぶっちゃけ言うとラスボスの様だ。
これには日向達も肩をビクつかせる。

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