◇ 挑戦 ページ9
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円堂の視界に、体格のいい壁山がタイヤに吹っ飛ばされる様子が映る。
「壁山かぁ…！よぉしっ」
意気揚々と拳を握る円堂に、Aは薄く微笑む。
そんな中、豪炎寺が心配げに声を掛けた。
「だがA、大丈夫なのか？」
「え？」
「お前、ただでさえ司令塔として動くのに…それに、危険だぞ。」
Aは女子特有の柔らかさを活かした攻撃も得意だ。
だからオーバーヘッドキックなどもまぁ出来る。だが豪炎寺はただ単純に心配なのだろう。
円堂もうんうんと頷く。
「あっ、確かに…A、神のタクト出さなきゃ行けない時もあるしなぁ」
二人の意見を聞いたAはふむ、と顎に手を当てるそして少し考えた後に二人へ話した。
「そうだね。私は司令塔としてみんなに指示出す事が多いから…じゃあ今回は豪炎寺メインで私は豪炎寺が何かあった時の為の補欠としてにするよ。」
「ああ、わかった。A、オーバーヘッドキックのコツを教えてくれ。」
「おっけーい。けど、私も多少は練習するからね。私も完璧に出来るのかはわからないし…危険なのは、豪炎寺も一緒でしょ？」
そう言い、にひと笑うAに豪炎寺は敵わないな、と苦笑いした。
＊＊＊＊
壁山が円堂と共に高く飛ぶ練習をしている際、豪炎寺とAは空中でのオーバーヘッドキックの練習をする。
豪炎寺とAが立つ少し先では風丸と染岡が踏み台になる様に腕を組んでいる。
Aが声を上げた。
「…、行くよ！」
「「おうっ！」」
Aは走り、風丸と染岡が作ってくれた踏み台を足にして飛ぶ。
そしてオーバーヘッドキックを繰り出した。
が、惜しくも着地は失敗してしまった。
「っ！！…いてて…くそ、やっぱ久しぶりだと慣れないな…」
「A！平気か…？」
「大丈夫これくらい！」
「よし、次は俺の番だ！」
豪炎寺もAと同じ様に飛び上がり、オーバーヘッドキックを繰り出すが背中からそのまま落ちてしまう。
「―――ぐっ…」
「豪炎寺！」
「大丈夫か…！」
「大丈夫だ…！まだ高さが足りない。もっと高く放り投げてくれ。」
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
