何があっても…家族だから～第二章上～リメイク版 (ページ18)

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＊50＊　雪のボンゴレリング＿ページ18

インターホンの音で目を覚ました。時刻は朝の6時半。目の前には見慣れた天井が広がっている。
　昨日、家光とチェルベッロ機関の登場でボンゴレリング争奪戦が公式に取り仕切られることが決まり、僕たち守護者はその場での戦闘を自粛、各自帰宅した。チェルベッロの話は、争奪戦が9代目の指示であるという点ですでに違和感があったが、一対一の個人戦という想定外の事態に日本側の勝率を下げることとなった。なにしろ相手はあのヴァリアーだ。全員でかかるのならばこちらが有利な相手を相手取ることができるが、個人戦ではそうもいかない。個人の戦闘スキルで言えば、当然ヴァリアーが何枚も上手だ。一体こちらにどれだけの勝算が残されているのか。考えたくもなかったが、みんなの成長に賭けるしかなかった。
　そんなことを考えているとまたインターホンが鳴った。気怠さを押し殺してベッドから出る。一体誰だ、こんな朝早くに。身支度を整えるのもそこそこに僕は扉を開けた。

「ちゃおっす！」

「…何しに来たの。」

「おはようA！悪いなこんな時間に。」

　…朝から無駄にテンションの高いリボーンと家光は悪びれることなくそう言うと、こちらの許可も待たずにずかずかと入ってきた。ちょっと待てい。ここ一応女の子の部屋なんですがねおふたりさん。そんなことを口にしてもどうせ笑顔で躱されるだけなので仕方なく僕は無言で部屋の扉を閉めた。とりあえず洗面所で身支度を整え、人数分のお茶を用意する。その間彼らは以外にもおとなしく待っていた。

「それで？本当に何しに来たんです。」

　一息ついたところで僕は本題に入った。

「これを渡しに来たんだ。」

　それは、雪のボンゴレリングだった。初めて見た。以前リボーンが、『雪のリングは代々雪野家の者が継承する決まりだ』と言っていたが、管理自体はボンゴレがしているようだ。

「遅くなったが、こいつをお前に受け取ってほしい。」

　家光がリングを差し出してきた。これを受け取れば、僕はもうヴァリアーには戻れない。自分で決めたことではあったけれど、やっぱり受け取るのには勇気が要った。2人は僕がリングを受け取るのを黙って待っている。そこで声をかけてこないのが、信頼の証のように思えて少し胸が熱くなった。

「…謹んで、受け取らせていただきます。”私たち”の意志は、ボンゴレのために。」

　あえて複数形にした僕に2人は笑って言った。

「あぁ、よろしく頼む。雪野A。」