何があっても…家族だから～第二章上～リメイク版 (ページ16)

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＊48＊　迷子の子供＿ページ16

いつも通り修行を終え家に戻る途中、前方から走って来る女の子2人組に沢田が呼び止められた。あれは、笹川さんと…確か三浦ハル、だったはず。ずいぶん慌てた様子から何かがあったのだと悟った。

「ハヒ！となりの銀髪美人さんは誰ですか？！」

「え、あぁ、この人は雪野Aさん。オレのクラスメートだよ。」

「どうも雪野Aです。って、そうではなく！何かあったんじゃないの？」

僕のツッコミに慌てる彼女は、随分明るい性格のようだ。

「そ、そうでした！」

「みんなの所にランボ君たち来てない？」

「うん来てないけど…。」

　沢田が訝し気に答える。それを聞いた2人ががっかりしたような顔をした。…いやな予感がする。沢田が心配そうに尋ねた。

「ランボに何かあったの？」

「それが…。」

　2人の説明では、少し目を離した隙に子供たちがいなくなってしまったようだった。こちら側の雷の守護者は確かランボだ。こんな時期に面倒を起こすなんて、厄介な子供だ。
　その時、すぐ横の路地で派手な爆発音がした。それと一緒に高い子供の声も聞こえる。

「この声…イーピンだ！雪野さん、行こう！」

　笹川さんと三浦ハルへの挨拶もそこそこに僕たちは音のした方へ走った。後ろで2人を帰らせるリボーンの声がする。一般人の前で戦闘なんてしたくないからありがたい。
　現場につくと、そこには黒ずくめの男たちと子供たちがいた。あまりに異様な光景で現実味がない。

「ランボ！イーピン！フゥ太！！大丈夫か？！」

「あれは…レヴィ雷撃隊！」

　また面倒な奴らに見つかったものだ。彼らは隊長のレヴィに性格がそっくりで、誰にでも容赦なく、しつこく、面倒くさい。実力者揃いだから余計面倒だ。
　気付けば、獄寺と山本が近くに来ていた。彼らも子供たちを探してここまでたどり着いたらしい。
　さて、どうしたものか。
　その時、聞き覚えのある怒号が上から降ってきた。

「まてぇレヴィ！」

　デジャヴである。まるで、初めて会った時の様な状況に、懐かしさがあふれた。
　スクアーロだ。近くの茂みが揺れ、他の面々も姿を現す。

「１人で狩っちゃだめよ。」

「他のリング保持者もそこにいるみたいなんだ。」

　…あぁ、懐かしい。そんなに長い間一緒にいたわけでも、離れていたわけでもないのに、どうしてこうも懐かしく感じるのだろう。会えて嬉しい。会いたかった。けれどきっと、そう思っているのは僕と後数人だけなんだろうと思うと、少し寂くもあった。