重なる唇〔JM〕 ページ30
.
触れたくて触れたくて仕方なかった
Aちゃんの頬に手を添えて
ゆっくり顔を近づける
キスなんて俺にとってはなんてことなくて
だけど、Aちゃんとのキスは特別で
今までのどんなキスより緊張して
Aちゃんの頬に添えた手が震えた
ほんの一瞬、唇と唇が隙間なく重なって
すぐに離れて、Aちゃんの瞳を見つめた
伝えなくちゃいけない事がある
ずっと言えなかった想い
ずっと言えなかった言葉
「好きだよ」
Aちゃんの瞳がじんわりとキラキラ揺れて、小さく頷くと同時に目頭からポロリ涙がこぼれ落ちた。
もう一度Aちゃんの頬に手を添えて
親指で涙を拭ってキスをした。
お互いの愛を確かめるように
唇を食べるみたいに何度も重ね合って
甘い甘いキスだった
ブッーブッーブー
スマホの鳴る音に邪魔されて、二人で顔を見合わせ笑う
俺達はいつもこうだ
「ヤバイお母さんからだ」
時計を見ると20時を過ぎていた
「貸して俺出るから」
Aちゃんからスマホを受け取り代わりに出る。
映画を観ていたら遅くなってしまって今ご飯を食べているから食べ終わったらすぐに帰りますと小さな嘘をついて切った電話。
「相変わらずお母さんの扱い上手だね」
「ちゃんとお母さんにも言わないとな」
「なんて？」
「彼氏になりましたって」
その言葉に、Aちゃんがはにかんで俺の胸に顔を押し当てるから可愛くて堪らなくて、Aちゃんをぎゅっと抱き締めた。
「帰したくないんだけど」
「自分で言ったんじゃん」
「あぁー、もう。あと五分だけ…」
抱き締める腕に力が入って、
「痛いよ」
そう言って顔を上げたAちゃんの唇にわざとチュッと音を立ててキスをする。
もっともっと触れたくて
側にいたくて
時間が止まればいいのにって思った
「あー、ダメだ。行こう。」
「えーー、行くの？」
俺が立ち上がったのに、Aちゃんは座ったまま俺を見上げてるから
「一回やってから行く？」
ベットを指差して言えば、すぐに立ち上がって
「バカ」
照れながら俺の肩をぐーで叩いた。
.
帰りの支度をして外に出ると
昼間よりもっと風が冷たくて寒くて
自然とくっついて握った手を自分のポッケに入れた
可愛い可愛い俺の彼女
やっと掴めた小さな手を
強く握り締めた
もうこの手を絶対に離さない
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ピノ子(プロフ) - 名無し41903号さん» 遂に結婚しちゃいました(bﾟv`*)最後まで読んでいただきありがとうございます♡番外編もちょこちょこ書いていくのでぜひよろしくお願いします！コメント嬉しかったです♡ありがとうございます♡ (2022年2月16日 9時) (
レス) id: 62d1221d7f (このIDを非表示/違反報告)
名無し41903号(プロフ) - わあああ！遂に推しと結婚できちゃったなんてニヤニヤしちゃいました！お疲れ様です！寝る前によく読ませていただいてますのでこれからもよろしくお願いします₍ᐢ. ̫ .ᐢ₎ (2022年2月16日 2時) (レス) @page36 id: 23d1a85d87 (このIDを非表示/違反報告)
ピノ子(プロフ) - たかみさん» たかみさん、嬉しいコメントありがとうございます♡最後まで書けるよう更新頑張ります！ (2022年2月3日 10時) (レス) id: 62d1221d7f (このIDを非表示/違反報告)
たかみ(プロフ) - とても面白かったです！切なすぎて胸がきゅーんとなりました。楽しみにしてます！ (2022年2月2日 17時) (レス) @page11 id: 1bef4440db (このIDを非表示/違反報告)
ピノ子(プロフ) - keiさん» keiさん、嬉しいお言葉ありがとうございます♡歴代のということは全部読んでくれてるんですね（ ; ; ）なんとか最後まで書けるように頑張ります！ (2022年2月2日 16時) (レス) id: 62d1221d7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピノ子
| 作成日時：2022年1月29日 21時
