＊67＊ 獄寺の様子＿挿絵ｱﾘ ページ2
「失礼します。」
突然の僕の登場に2人が驚いたように振り向いた。
「突然すみません。ご無沙汰してます、ドクター。」
その瞬間、シャマルが僕の名前を呼びながら飛びついてきた。いつものことなので軽く避ける。後ろでドアに激突したらしい音がしたがそれぐらいで怪我をするような人でもないので放置しておく。
「こんにちは獄寺。修行の調子はどう？」
「てめえ…何しに来やがった。つかご無沙汰って、てめえら知り合いかよ？！」
「そんなに怖い顔しないでよ。ちょっと様子を見に来ただけだから。それと、ドクターには前に怪我をして厄介になっただけだよ。」
「んな冷たいこと言うなよ。オレとお前の仲だろA。」
「ただの医者と患者の仲ですよ、ドクター。」
相変わらずこの人は、人に誤解を与えるような言い回しをする。昔は大きな怪我をすることが多かったから、その度にお世話になっていたというだけだ。彼には感謝しているが、正直苦手なタイプの男だった。
「で、獄寺は修行完成していない感じなの？」
「んなわけねえだろうが！」
僕の問いに彼は噛みついた。分かりやすい嘘だった。多分見栄を張りたいだけだろうが、今そんなことをしている暇はないし、そんな状態で戦場に立たれたらそれこそ命を落とす。
「まあ、何でもいいけどね。僕もドクターの言う通り修行が完成するまでベルとはやりあわない方がいいと思うよ。彼は本物だ。獄寺、死ぬよ。」
静かに言い放った僕に、獄寺は言い返したそうで、それでも言い返す言葉が見つからないようだった。シャマルが呆れたように肩をすくめる。大変な生徒だ。ご愁傷様。でもきっと、何だかんだ言いつつシャマルは獄寺を見放さないだろう。彼は面倒見がいいから。
「ごめん。冷たいこと言ったね。でも、僕は誰にも死んでほしくないんだよ。みんな大切だから。だからね、君も命を大切にして獄寺隼人。」
「こいつの言うとおりだぜ隼人。つーわけで、今日のリング戦は諦めろ。」
「なっ？！」
「それが嫌なら完成させろ。」
面倒そうにシャマルは言った。その様子を見てつい笑みがこぼれる。こういうところも相変わらずか。彼の言葉を聞いた獄寺は当たり前だと吠えて修行に戻った。その顔から、気合と覚悟が感じられた。
獄寺はきっと今夜までにはなんとかするだろう。
僕はシャマルに挨拶をして学校を後にした。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲都紀(プロフ) - 氷杜雪奈さん» お久です！受験・・・大変ですね；ファイトです！ (2013年9月29日 18時) (
レス) id: 7cb4bc8999 (このIDを非表示/違反報告)
氷杜雪奈 - 咲都紀さんオヒサですスミマセン全然来れなくて←受験生ナンスヨ (2013年9月28日 16時) (レス) id: 874331a837 (このIDを非表示/違反報告)
咲都紀(プロフ) - 雪奈さん» 嫌なわけないじゃないですかぁぁぁあああ！！！ありがとうございます！！！・・・ところで友達ってこみゅ〜とおんなじ感じでいいですかね；；初めてなものでよくわからんのです ← (2013年7月16日 20時) (レス) id: 6b9bea12fb (このIDを非表示/違反報告)
咲都紀(プロフ) - 雪奈さん» ああありがとうございます！！！更新遅くてスイマセン；；頑張ります！ (2013年7月14日 18時) (レス) id: 6b9bea12fb (このIDを非表示/違反報告)
咲都紀(プロフ) - 瑠華さん» うん、だいじょぶよ〜 (2013年7月13日 20時) (レス) id: 6b9bea12fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
