1話 ページ2
No side
無言で包まれる応接室。冷め切った紅茶に、手がつけられていない茶菓子。
先程護衛も付けずに1人きりで2j3j国へやってきた少女は、先ほどから一言も発しないままこの国の総統、葛葉を見つけるだけ。誰も何も話さず、ただ重苦しい空気が流れているだけであった。
そして、それから数秒か数分か経ったその時。
静寂に包まれたその空気に痺れを切らしたのか喋り出す者が1人。
剣持「……申し訳ありませんが、かの名高きa国の参謀長ともあろうお方が、我が2j3j国に”お1人で”いらっしゃった理由を伺っても?」
そう言い、貼り付けた笑みを浮かべるのは、2j3j国の外交官を勤める剣持刀也。
お1人、の部分を強調しているところからして、[アポ取ってから来いよこの野郎]や[1人で来るなんてお前蛮勇なんじゃねえの]なんて心の中で思っているのだろうか。
『…そう名高きなど嘘をつかず、悪名高きと仰っていただいてもよろしいのですが』
剣持「…いえいえ、そんな事……」
自国の参謀をやっているAですら、【悪名高い】国だと言うほどだというのに、目の前の剣持刀也という男は眉を一寸も動かさずに社交辞令を述べていく。「自然が豊か」だとか「国民同士の仲が良い」と。
実際は、「自然が豊か」なのは未開拓の土地が多いからで、「国民同士の仲が良い」のも王政が最悪すぎて協力するしかなかっただけ。短所は長所にもなる、など誰が言ったのか。全くその通りである。
『………2j3j国へ、来た理由ですか。』
Aは、どこか決心をしたような顔で総統と幹部の面々を見つめる。
それにつられてか、体勢を少しばかり整える者もいた。
『率直に言わせていただきます。
私の国、a国を2j3j国に合併していただきたいのです。』
「…………は?」
そう発したのは、誰が先か。
1415人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - りょーーさん» そんな気に入ってくださるなんて…😭ありがとうございます、とても励みになります!! (4月4日 19時) (レス) id: 278cf1e01e (このIDを非表示/違反報告)
りょーー - 最近この界隈ハマったばかりなんですが、設定と世界観が癖すぎて…辛いです……これからもずっと応援してます!! (4月3日 23時) (レス) id: f52fe25127 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - Upa丸さん» こういうシンプルな声援も良いんだよな……真っ直ぐなその気持ち、めっちゃ沁みました!更新頑張ります! (12月20日 20時) (レス) id: a7af9d7ebe (このIDを非表示/違反報告)
Upa丸(プロフ) - 本当に大好きですーーー!これからも無理せず活動頑張ってください!! (12月20日 19時) (レス) @page39 id: 3c4a854e64 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - ??さん» ありがとうございます!頑張ります! (12月10日 18時) (レス) id: 6ee307290c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ