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第3叩 - 03 ページ21

「あははは、獅子王さん、隊長脅かしたら怒られちゃいますよー」
「悪い悪い!帰ったら触らせてやるから、拗ねんなよ」

「拗ねてねーよっ!けど、触る…!」

「拗ねとりません!……わっ、不動さま御手が!」



からから笑う獅子王に、後藤と食って掛かった三間半だったが、
驚嘆に手にこぼした甘酒をぷらぷらと振り払おうとする不動に気づくやいなや、荷物を広げて手拭いを取り出した。勢いよく引っ張って2枚出てきてしまっていた。

片方の1枚に飲水を垂らしたかと思えば、不動の前に跪いて甘酒に濡れた彼の手を包んだ。



「お、おい、手拭いが汚れるだろぉ」



遠征中不動に不便を来してなるものかという意志が見える彼女の周章に、
後藤以外がまたかと笑っていることにも、遠征のために折角結ってもらった超長髪が地面に擦ってることも気にせずに、三間半は不動を見上げた。

持ち物にすら気を配る不動の、なんと素晴らしいこと。



「私の手拭いですから、気にせんでください」

「…いいって。
こんなことより資源集めるんだろ……、
…なんだよ、見世物じゃねぇぞぉ」

「はいはい。
(……こーゆーことね、主)」




口では拒否する不動は、三間半にされるがまま。

その光景に、思わずにやにやしまった加州は、不動に咎められてもなお口元の緩みが止められない。


不動行光がこの槍の前では通常より凜々しく振る舞うことを、審神者は見抜いていたのだろう。自分たちの主の慧眼に惚れ惚れする。


同じく微笑みをこぼしていた堀川だったが、三間半が勢い余ってとりだしたもう1枚の手拭いに首を傾げた。



「あれ? 今片付けた緑の手拭いって、三間半さんのじゃないよね」

「ほうなんです、こちらは遠征前にお返ししようと思って忘れとりました。
この前鴨居に頭をぶつけた際にお借りいたしまして、誰のかわからんのですけど…」

「思い当たる節があるよ。彼、よく僕ら脇差の部屋に遊びに来るし見間違いじゃなければ…。
そうだ、帰還したら確かめておくね」

「お頼みします!」



雑談を片手間に、ひょいと荷物を背負い直した三間半だが、実は今回の部隊で最も荷物が多い。

非常に長い槍のため膂力を有する彼女の様子に、加州は遠征の成功が確信できた。
資源を上限いっぱい抱えるに違いない。



「…んじゃ、そろそろ本腰入れて資源集め始めよっか。な、隊長。」





「「 鴨居に、頭を…… 」」


「獅子王さん…っ」
「後藤、お前も…!」




「…オラ、そこの二人行くぞ」

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そらちゃんです!!(プロフ) - うわああああああすききききききききいいいいいいいいいいいいい (2020年8月21日 13時) (レス) id: 5d277503a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カルティ | 作成日時:2017年12月20日 23時

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