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侑李side



涼介の様子を見るために、保健室に行くことにした。

入学してすぐの昼休みなのにガヤガヤしている教室は、少し僕には合わない。


ガラガラ……

「お、侑李くん……。」

裕翔先生は僕が来ることを予想していたのか、そんなに驚かなかった。


「知念……教室、緊張、ピリピリ、怖かった。」

「平気だよ。もうピリピリはないよ。」


涼介がこうやって周りの雰囲気を強く感じ取ってしまうのも珍しくない。

そして、こうなる時は必ず……


「……何度だったの?」

「37.8……帰らせたいけど、今日はお母さんいないみたいで。」


熱がある。


「やっぱり怖いよ……。」

「大丈夫。僕もいるから。」


今日はもう体調も悪いし無理でも、回復したら少しでも教室に来て欲しい。

僕だって、寂しいし。


「圭人に来てもらおうかな……すぐ戻って来るから、涼介のことよろしく。」

「うん、分かった。」


裕翔先生が、携帯を持って保健室のドアを開けると……


「櫻井先生……!!」

「………様子を見に来ようと思いまして。」

「あー……どうぞ。」


櫻井先生が突っ立ってて、僕もびっくり。

櫻井先生は、どうぞと裕翔先生に言われて恐る恐る保健室に入ってきた。



「涼介くん、調子はどう?」

「……わかんない。」


涼介の馬鹿。櫻井先生、困ってるじゃん。

まあ、まだ完全に信頼しきってないんだろうな。


「今、熱がある状態です。」

「そうなんだ……。ありがとう、侑李くん。」


仕方がないと思い僕が教えると、

20年くらいアイドルでもやってたのか!!

と思うくらいのキラキラした笑顔でお礼を言われた。

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作者名:赤兎 | 作成日時:2019年10月13日 23時

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