特別なチカラ＿＿2 (ページ10)

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裕翔side

「確かその時、涼介は熱があって…………」

その言葉を聞いた途端、何か引っかかる気がした。

……あ！！

数週間前、涼介が熱をだしたのはその時みたいに周りの雰囲気に飲み込まれたから？

だとしたら、あの行動にも説明がつく。

もし、この仮説が合っていたとしたら……

俺が涼介を苦しめてしまったのかもしれない。

涼介のことの悩みとはいえ、悩んでいる人特有のオーラを見せてしまっていたのがいけなかった。

確かあの時も……

クラスの人達の緊張感以外にも、俺や圭人、二宮先生の厚みたいな何かを感じていたと言っていた。

なんで何も学ばなかったんだろう。
なんで気づくことが出来なかったのだろう。

なんで…………

グッと唇をかみしめると、何やら視線が感じられてきた。

やべっ……

「裕翔、どうした？」

「あっ……えっと……なんでもないです。」

「俺の説明で間違っている所でもあったかな？」

「いえ、大丈夫です。」

とりあえず今は、薮先生のため……いや、涼介のために櫻井先生の話を聞かないと。

俺の大丈夫という言葉に安心したのか、また櫻井先生は口を開きはじめた。