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みんなの声援を受け頭の鉢巻を結び直す。
赤色の鉢巻は緊張する私の背中を押してくれる。
そして真美ちゃんからの”がんばれ!”は1番の効果薬。




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「アイツなんで機嫌悪いか知ってる?」




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入場の待機中、
同じ競技に出るなあくんに声をかけられる。

機嫌悪い……というか。なあくんのせいなんだけど。
なあくんと真美ちゃんはきっと距離が近すぎて、
真美ちゃんへの気持ちが恋だって知ってないんだと思う。
私が言える事じゃないけど。




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「恋って難しいよね、」




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彼に夢中で、彼以外の世界なんて考えられなくて。
今まで出会ってなかった毎日が当たり前だったはずなのに
今はもう彼がいない毎日なんて考えられない。
彼だけの彩度が100%で。それ以外はモノクロでハイライト。




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「なあくんはさ、真美ちゃんのこと好きなの?」




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ああ、今まではこんな事すら聞くことなんてなかっただろう。
人の恋に、人生に大きく関わるような、
恋のキューピットのような事なんて絶対にしなかったのに。

可愛くなる努力の成果が出てきたのかな。
それとも好きな人のおかげなのかな。




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「好きで好きでたまらないよ」

「え?!」

「あ、これ絶対内緒ね」




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”しぃ”と左手の人差し指を口元に当てて
悪戯に笑った。




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「でもアイツ最近那須と仲良いから…」

「そ、そんなことない!」




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今すぐ真美ちゃんのところへ走って
誤解だったんだよって伝えたい。
なあくんは真美ちゃんのこと、好きで好きでたまらないよって。

大好きな真美ちゃんと唯一話せるなあくんの気持ちが一緒だなんて。
両想いってなんて素敵なんだ。




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ピピッー




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ホイッスルの音と共にスタートし出す生徒達。
走ってすぐ野球のプラスチックバットを軸に5回回って
お題の箱まで走る。ここでどれだけスムーズにたどり着けるかが重要。
そしてお題箱からお題を1枚引いて、先生やら生徒やら物を借りて一緒にゴール。

全体的な流れはこんな感じ。

前の同じ色の生徒が走り出し、お題は体育の先生だったみたいで
先生のテントへ走ってゴールしていた。





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「ど、どうしようなあくん!」

「なにが、!」

「緊張してきた〜」

「目、回らない様に気を付けてね」

「はいぃ…」




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そしていよいよ私の番。
もうへこたれから変わったんだから!
大丈夫大丈夫、自分に言い聞かせて、ホイッスルの合図。




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設定タグ:浮所飛貴 , 那須雄登 , 美少年   
作品ジャンル:恋愛
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Shiro.(プロフ) - 梨乃さん» 感想ありがとうございます!励みになります、うれしいです!!! (4月10日 11時) (レス) id: 5a97038d8f (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - ものすごくキュンキュンしました!続きが楽しみです^_^ (4月8日 8時) (レス) @page36 id: 5cceb5056f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shiro. | 作成日時:2024年2月26日 22時

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