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どうしようどうしよう……
近づきはしないけど、確実に私の後ろをついてくる人影。
わ、私と話して何のメリットがあるというの。
震える手でスマホの連絡先を開く。
あいうえお順に出てくるその画面に1番最初に出てくる
��浮所飛貴��の文字。
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「ッ………」
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一瞬戸惑ったけど、今はそんなこと考えている暇は無くて。
震える手で彼の名前をタップする。
スマホを耳に当てながら後ろを振り返るとにっこり微笑まれる。
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pururu…
pururu……
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『はい、』
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で 、出た！！！
その声に安心して視界がボヤける。
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(だれ〜？)
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でも、その後ろで聞こえた女の子の声。
言おうと思ってた言葉達が詰まる。
焦っていたからって、怖かったからって
パッと出てきた1番最初の人に電話なんてかけなきゃよかった。
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��誰に電話かけてるの？��
「ひぃっ、、」
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電話をかけているのに気づかれたのか、
一定の距離にいたはずなのに、奴が真後ろにいた。
バケットハットから除く目に色がなくて、
真っ黒な瞳に更に怖さが増す。
ああ、もうダメだ。
ナヨナヨですぐへこたれる私だけど、
そんな自分が嫌だったけどでももうこれが私なのかもしれない。
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「た、たすけて…」
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そう思って、自分に素直になった時。
張り詰めていた何かがプツリと切れて、
堪えていた涙が溢れた。
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『今どこ？……歩き続けて』
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浮所くんの言葉に魔法がかかったかのように
彼の声は安心する。そして恐怖で動けなくなった私を誘導する。
言葉通り、歩いて、ひたすら歩いて。
彼の質問に答える。
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「家の、……公園の、近く」
『公園の近くに本屋さんがある』
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��そこに行って動かないで��
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家の近くの公園のすぐそばに本屋さん。
こんな所あったんだ…と思いながら、店内へ足を運ぶ。
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『男は？』
「お 、お店の前にいる」
『絶対お店から出ないでね』
「………はい」
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言われた通り、その場でじっとする。
こちらに来てくれるのかも分からない。
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ただ寒くて、だけど冷や汗が止まらなくて。
足が震えて、うまく立てない。
その場でしゃがみこんで、身を潜める。
たまたま漫画コーナーの前で
流行りの少女漫画のタイトルを眺めた。
かわいくなりたいって思っていたのに。
自分の自信になるものだと思っていたのに。
結局、赤の他人に好かれるし
自信なんて1ミリも身についてない。
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Shiro.(プロフ) - 梨乃さん» 感想ありがとうございます！励みになります、うれしいです！！！ (4月10日 11時) (
レス) id: 5a97038d8f (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - ものすごくキュンキュンしました！続きが楽しみです^_^ (4月8日 8時) (レス) @page36 id: 5cceb5056f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiro.
| 作成日時：2024年2月26日 22時
