好きなのに。【狗巻棘】《完結》

３話 ページ4

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『ぶっ、』







いたた……、、









何かにぶつかった。

相手の声がしたから多分人。






しかも知らない声だから多分先輩。









私はジンジン痛む鼻の痛みを我慢しながら後ずさりした。









『すっ、すみません、前が見えてなかったものでして……、、』









「いや、大丈夫だが、






……オマエ、見ない顔だな、新入生か？」









『あっ、は、はい、１年の菅宮Aと申します』









やっぱりこの人たちもだ。


私が苗字を言うと、目を見開く。









そして女性が口を開いた。









「オマエ、菅宮財閥の奴か、だから言葉遣いが金持ちなんだな。




私は禅院真希、２年。

私の事、苗字で呼ぶんじゃねぇぞ。





んでこっちが狗巻棘。

同じく２年で、語彙がおにぎりの具しかない。





棘は呪言師だ。









んでこっちは……」









『ぱっ、パンダ……！？』









や、野生のパンダ？？

それとも人工パンダ？？





まず、人工パンダなんて存在するのだろうか。









「ま、その反応も予想してたわな。




見ての通りパンダ。

よろしくな、」





「こいつパンダだけど喋るんだよな、」









待って。

ちょっと待って。









『この世界に喋るパンダなんていたんですね……、、』









「色々といると思うぞ？」



色々といるものなんですか……。









『あっ、すみません、五条先生に呼ばれているので失礼しますね、




ぜん、じゃなくて真希先輩、狗巻先輩、パンダ先輩。







真希先輩に関してはぶつかってすみませんでした。

……では。』









「おう、」



「気にすんな、」









真希先輩の隣をすれ違った時、ふと狗巻先輩と目が合った。









わ、……目、大きい…、女の子みたい。


多分、名前からして男の子だよね……？？









口元を隠すようになっている制服。


あんな制服もあるんだ……。









でも、狗巻先輩はすぐに目を逸らした。








冷ややかな目線を残して。









狗巻先輩ってちょっと冷たい人なのかな。


そう思ってたけど伏黒君に聞いたら






「優しい人だと思うぞ」





って言われたのは少々驚いた。









＿＿＿＿＿じゃあ、あの視線は一体＿＿＿＿＿





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