八話 ページ8
｢あの…朔間先輩｣
私を押した、黄色の髪の先輩がいなくなったのを確認すれば、開きっ放しの扉から顔を覗かせる。
薄暗い教室と共に少し埃っぽい気もしなくもない場所、ここはちゃんと換気を行っているのだろうか？
なんて不満に思いつつ目当ての名を呼んだ。
だが、返事はない。
さっき先輩の声が聞こえたきがしたのだが、と思い教室の奥にある棺桶へ目を移す。
ピッタリと閉じられた棺桶。
流石、吸血鬼って言ってるだけあって本格的だな…
と、今はそうじゃない。
誰もいない教室に足を踏み入れ、棺桶の前に立てば、恐る恐る蓋を二回ほど叩いた。
｢朔間先輩……｣
コンコンともう一度叩く。
無反応のそこに虚しくなるだけ。
私は小さく溜息を吐いては、言いたいことだけを呟いた。
｢今朝の頑張れって、転校生が来るからって意味なんですか？今年は彼女が来たことによって何かが変わる…とでも言いたかったんでしょうか。
例えば、今の学院について……とか。生徒会に支配されつつあるこの学院を変える、彼女は何らかを持ってる……なんて。
…朔間先輩はそれを見通して私に……｣
己の一人称が素に戻ってしまったと思い慌てて口元を抑えれば、背後からガタリと音が鳴る。
咄嗟に後ろを向けば、銀髪の、しかも制服ではなく学院指定の衣装を見に纏っていた。
扉の近くに転がっている椅子を見れば、きっと彼が蹴ったんだろうと誰もが思う。
整備が行き届いてるギターを片手に持てば、私の存在に気付き彼は驚いた様な顔をするも、すぐさま顰めっ面になった。
｢あ？なんだお前｣
｢いや…あの、お邪魔してます……｣
｢此処は俺様の領域だ、誰が勝手に入って良いと言った｣
ずかずかと近付いてくる彼。
それと同じ歩幅で後退する私。
｢さ、くま…｣
｢は？｣
背には壁、目の前には気性を荒らした男。
絶体絶命ってこういう事なんだろうか……
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斉賀(プロフ) - 作品とっても面白いです！朔間さんカッコいい応援しています。 (2018年9月23日 23時) (
レス) id: cc12e08766 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - 夢花さんコメントありがとうございます。そしてすみませんでした；；あながちと読むんですが、どうやら変換ミスをしてたようです；すみませんでした！反省の意を込めて一度棺桶に入ろうとおもいます！ (2018年9月22日 21時) (レス) id: 859ce7d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - 夜月さん» 夜月さんコメントありがとうございます！とても嬉しいです＾＾そして、ダイヤがない時は魔法のカードに頼るのがよいのでは？（笑）← (2018年9月22日 21時) (レス) id: 859ce7d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - うん…まあ確かに人が棺桶から出てくるのはシュールだね……ww想像したら笑えてくるなコレw (2018年9月22日 19時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 作者さんに質問です。十二話の「間違ってはいない」の前の文字はなんと読むのでしょうか…コピペして調べてみたのですが、その後に「間違っては」とついても違和感のない読み方が分からなかったのと、このスマホではこの漢字が認識されませんでした。 (2018年9月22日 18時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：丸 | 作成日時：2018年9月15日 2時
