三十七話 ページ41
｢ともあれ。この学院で王者のごとく振る舞う生徒会に刃向かうその気骨はよし、我輩はおぬしらのことを評価しておるのじゃよ？
じゃがのう、生半可な覚悟で学院の秩序を引っかき回されるのも困る。
昼間の事情には、あまり関わりたくないのじゃが。周りでドンパチされると、安眠妨害じゃからのう？
ゆえに、おぬしらを見定めようと思ってな。こうして、我輩の城たる軽音部部室まで招きよせたのじゃよ。｣
事々に喋りだす朔間先輩。
こんなに沢山喋るのは久しぶり、いやそんな事はないのだろうが、奇妙な感じがした。
きっとまだ陽が落ちていないからだと思う。
｢もうひとつ、理由があるにはあるがの。うちの子が、迷惑をかけたようじゃからの。謝らんといかん、と思ったのじゃ。
昨日のドリフェスでは、うちの駄犬がすまなかったのう……？｣
そう言った朔間先輩は、小さく頭を下げ、部室の端へと目を逸らした。
その視線を追いかけるよう、私たちも端の方へと目をやれば驚かない人はいないだろう。
寧ろ何故今の今まで気づかなかったのか、不思議でたまらない。
｢わんこ、おぬしもちゃんと謝るのじゃよ？｣
｢むぐ〜っ！？ぐうう〜っ！？｣
縄で縛られた挙句、猿轡を噛まされてる大神くんがいた。
さっきまで大人しくしていたのか、寝ていたのか、はたまた出番まで出るなとここの主に躾られていたのかは分からない。
とにかく大神くんが縄で縛られているという、異常な光景に目を疑った。
｢謝罪もできん口ならいらんかと思ってのう、猿轡ならぬ犬轡を噛ませておるのじゃよ……｣
どこか楽しげに言う朔間先輩に一同が呆気にとられた。
犬轡だなんて、言葉遊びとか大神くんとかけているのか分からない。
とりあえず、助けた方が良いのか…な？
｢犬のしでかしたことは、飼い主である我輩の責任でもある。どうも素直ではないわんこに代わって、我輩が謝罪しよう
すまなかった。ひとつ、借りをつくってしまったのう？｣
そして再び頭を下げる朔間先輩。
借りをつくったからといっても、そんな事はどうでもいいのだろう。
明星くんたちに『生徒会を潰す手助けをしてほしい』なんて言われたら、あっさり引き受けそうだし。別の借りを返す時がきたとしても、きっと涼し気な顔で朔間先輩はこなしてみせる。
流石、奇人なのかもしれない。
私も、彼らみたいに力があれば。
なんて、無駄なことを考えても仕方がない。
転校生の元から離れれば、私は大神くんの元へと向かった。
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斉賀(プロフ) - 作品とっても面白いです！朔間さんカッコいい応援しています。 (2018年9月23日 23時) (
レス) id: cc12e08766 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - 夢花さんコメントありがとうございます。そしてすみませんでした；；あながちと読むんですが、どうやら変換ミスをしてたようです；すみませんでした！反省の意を込めて一度棺桶に入ろうとおもいます！ (2018年9月22日 21時) (レス) id: 859ce7d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - 夜月さん» 夜月さんコメントありがとうございます！とても嬉しいです＾＾そして、ダイヤがない時は魔法のカードに頼るのがよいのでは？（笑）← (2018年9月22日 21時) (レス) id: 859ce7d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - うん…まあ確かに人が棺桶から出てくるのはシュールだね……ww想像したら笑えてくるなコレw (2018年9月22日 19時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 作者さんに質問です。十二話の「間違ってはいない」の前の文字はなんと読むのでしょうか…コピペして調べてみたのですが、その後に「間違っては」とついても違和感のない読み方が分からなかったのと、このスマホではこの漢字が認識されませんでした。 (2018年9月22日 18時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：丸 | 作成日時：2018年9月15日 2時
