【立海】私の理想は現状維持 ２

現状維持53.0% ページ6

貴「うっっわぁ………」






唖然。





外装だけじゃ物足りないんだろうか。
内装も素晴らしいありさま。




これじゃあまるで飛行機のファーストクラスだよ。
しかもシャンデリア付き。


そして余程好きなんであろう、そこら中に飾られている薔薇。
もうなんでもありだな。




財前「なにしてん、早よ座り。」


貴「わっ、ちょ光っっ」



強引に手を引かれてボフッと勢いのある音を立てて椅子に着く。
その際に頭を若干強く打ったからか、ジンジンする。



貴「っつ…痛ぁー…。」




人をイキナリ引っ張るだなんて、一体何を考えてるんだか光は。




財前「あー、すまんすまん。」



キッと光を軽く睨んでいたら、光はカバンの中を漁って白玉善哉を私の方に差し出してきた。



財前「ほれ。」



貴「………許す。」



これが世で言う『現金な奴』なんだろう。
でも甘い物には目がない主義だからしょうがない。



光から白玉善哉を両手で受け取って、そっと鞄にしまった。









遠山「あーーーっ！財前お前ズルいでーー！

ワイもAのねーちゃんの隣がいーいー！」



急にそう言って足と手をブンブンバタつかせて駄々をこねる金太郎。


素直に嬉しいけれど、残念ながら座席は2人1組ずつで、私の隣には既に光が座っている。




財前「駄目や。他座り。」


遠山「いーやーやー！！」



見つめ合って目元で火花を散らしている2人。



全く。
金太郎はまだしも、こういう所は2人共も子供なんだから…。




貴「はぁもう…。


金太郎、ココ、座る？」



ポンポンっと自分の膝を叩きながら言うと、金太郎は「良いん！？」と言って目をキラキラ輝かせてきた。



そんな嬉しそうな目までされて今更駄目なんて言わないって。





遠山「よっしゃーーーー！」



勢いよく私の膝に飛び乗ると、金太郎は私の腕を持って自分のお腹辺りまで持っていくと「Aのねーちゃんワイのシートベルトやってなー！」と言った。




最後にニカッと笑顔を向けられた。
これには正直やられた。

なんていうか、母性本能的なものが疼く。
2歳差があるからかな、なんか弟感覚で可愛い。






白石「A！」




貴「？なに蔵急に？」




白石「俺もそこに座りた／貴「黙って。」…」




財前「部長…キモいっすわ…。」




遠山「白石どんまいやなー！」




白石「俺もう帰りたい…」

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