現状維持36.0% ページ42
なんなんだ全く、あの変態白髪。
部屋に向かう最中、私はさっきの仁王の事で疑問符で頭がいっぱいだ。
貴「はぁー……」
故に、ため息1つと吐きたくなる。
合宿の練習が始まったわけでもないのに既に疲れている私は、壁にもたれながら廊下の角を曲がった。
?「溜息を吐くと幸せが逃げてしまうで」
突如前方から聞こえてきた声に顔を上げると、そこにはよーく見知った顔。
貴「蔵!」
私が元気よくそう言うと、蔵は右手を軽く上げて私の方に手を振った。
そして、私はそんな蔵の元へと駆けて行った。
白石「えらい遅かったな?」
数十分振りに蔵と再開するなり、今の私にとってはちょっと応えずらい質問をされた。
貴「いや、えっと…………迷った…?」
白石「迷ったってA、そんなんでこれから大丈夫なんかいな?」
私の苦し紛れの言い訳に疑いの意も問わずに口に手を添えて笑う蔵。
そんな蔵を目前にして、なんだか和んだ私も若干目を細めていると、急に蔵が私の方に手を伸ばしてきた。
白石「これどないしたん?服はだけてもうてるで」
そう言うと、蔵は私の服のはずれていたボタンを閉めてくれた。
多分、さっき仁王にはずさせられたボタンだ。いまいち状況が飲み込めなかった私は、服も直さずわずかに胸元が空いたまんまで歩いてきてたんだろう。
白石「これで大丈夫やな」
貴「ありがとう。…蔵、お母さんみたいだね!」
手際良くこなし終えた蔵に満面の笑みで言うと、蔵は私の予想とは裏腹に困った顔をしていた。
貴「……蔵?」
顔を覗き込む様にして問うと、蔵はハッとした様に私の方を見た。
そして、なんだか少し弱々しげに口を開いた。
白石「いやぁ……それはちょっと複雑や思うてな。」
首の後ろを触りながら言う蔵は、何故か目線はそっぽを向いてしまっている。
貴「?……あ!お母さんじゃなくてお父さんが良かった?」
そっか、蔵は男だもんね、お母さんは流石に嫌か。
1人ウンウンと納得するも、蔵の意思とはお門違いな事だったというのを私は知る由もなかった。
白石「…………こりゃ、相当手強いやっちゃなぁ」
貴「蔵今何か言った?」
白石「…いや、なんにも言ってへんで。
ほな!皆も待っとるし部屋行こか」
貴「あ、そうだった!うん!」
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なえぬ(プロフ) - 春川 音さん» 一ヶ月くらいブリですね!お久しぶりです!またコメントをしに来て下さりありがとうございます(;_;)はい、これからばもっとどんどん色んなキャラを出していきたいと思ってます!おお……!柳お好きなんですか……!!!本当にありがとうございます(;_;) (2017年4月18日 21時) (レス) id: 9228dd528a (このIDを非表示/違反報告)
春川 音 - お久しぶりです!合宿に入って他校が出てきたり立海も登場してこれからますます面白くなりそうですね!あと、個人的ではあるんですが、柳さんが出てきてすっごく嬉しかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月18日 20時) (レス) id: 4ed93befb8 (このIDを非表示/違反報告)
なえぬ(プロフ) - だんぼーるかったーさん» 柳は奥が深いですね( ˘ω˘ ).) (2017年4月18日 7時) (レス) id: 9228dd528a (このIDを非表示/違反報告)
だんぼーるかったー(プロフ) - なえぬさん» まっさか〜効率とか合理性とかを重視する人ですよ。きっと。でも、彼は恋愛したら人が変わるそうです。 (2017年4月17日 21時) (レス) id: 4d7c7d5912 (このIDを非表示/違反報告)
なえぬ(プロフ) - だんぼーるかったーさん» すごい!( 笑 )きっと縦書きノートを横にしているのでは.......?( 笑 ) (2017年4月17日 20時) (レス) id: 9228dd528a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なえぬ | 作成日時:2015年11月20日 21時