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貴「あ、謙也ありがとう。部屋までは自分で持ってくよ」



謙也から鞄を返してもらおうと手を伸ばすと、謙也は私の前に掌を見せるような形で手を出した。



謙也「そんなんええわ、俺が持ってったるっちゅー話や」


貴「え?でもついさっきいつまで持たせとく気だ、って……」


謙也「いや、それはやな……えと、あっ、あれやあれ!」



「ははは」とぎこちなく笑った後、謙也は「ほな行こかー!」と回れ右をして歩き出してしまった。




白石「謙也も可愛ええやっちゃなー。ほな、俺達も行こか」



貴「うん」




____しかし



そう返事をして謙也や蔵に続いて部屋に向かおうとした直後、私は“それ”を見てしまった。




貴「_____あ、ごめん蔵。先に行ってて」




白石「?…なんか用事あんねやったら待ってんで」



貴「大丈夫だってば!ちゃんと後で行くから!」


気を使ってくれたんだろう蔵を断って笑顔で返すと、蔵は少し不貞腐れ気味にしぶしぶ頷いた。



白石「ほな、先行って待ってんで」



貴「うん」



手を軽く振ると、蔵は背を向けて歩いていった。
それを見送って、私は蔵とは反対方向を向いて歩き出した。


というのも、さっき私が見た“それ”というのは他でもない。
糸目が床に何かを落として外に出ていったのを横目に見たのだ。



貴「“柳ノート”、ねぇ……」



糸目が落としていった物を拾うと、まるでお手本並に綺麗な字で表紙に名前が書かれたノート。
流石に中を勝手に覗き見してしまうほど私も趣味は悪くない。


本来なら立海テニス部の奴には極力関わりたくないけど、他の人は皆部屋に向かってもういないし、なにより私の義理人情的なものがこれを持ち主に届けろ言ってる。



貴「……面倒臭いなぁ。」




私は1つため息を吐くと、ノートを持って糸目の後に続いて外にでていった。

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なえぬ(プロフ) - 春川 音さん» 一ヶ月くらいブリですね!お久しぶりです!またコメントをしに来て下さりありがとうございます(;_;)はい、これからばもっとどんどん色んなキャラを出していきたいと思ってます!おお……!柳お好きなんですか……!!!本当にありがとうございます(;_;) (2017年4月18日 21時) (レス) id: 9228dd528a (このIDを非表示/違反報告)
春川 音 - お久しぶりです!合宿に入って他校が出てきたり立海も登場してこれからますます面白くなりそうですね!あと、個人的ではあるんですが、柳さんが出てきてすっごく嬉しかったです!これからも頑張ってください! (2017年4月18日 20時) (レス) id: 4ed93befb8 (このIDを非表示/違反報告)
なえぬ(プロフ) - だんぼーるかったーさん» 柳は奥が深いですね( ˘ω˘ ).) (2017年4月18日 7時) (レス) id: 9228dd528a (このIDを非表示/違反報告)
だんぼーるかったー(プロフ) - なえぬさん» まっさか〜効率とか合理性とかを重視する人ですよ。きっと。でも、彼は恋愛したら人が変わるそうです。 (2017年4月17日 21時) (レス) id: 4d7c7d5912 (このIDを非表示/違反報告)
なえぬ(プロフ) - だんぼーるかったーさん» すごい!( 笑 )きっと縦書きノートを横にしているのでは.......?( 笑 ) (2017年4月17日 20時) (レス) id: 9228dd528a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なえぬ | 作成日時:2015年11月20日 21時

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