【立海】私の理想は現状維持 ２

現状維持47.5% ページ18

跡部「待たせたな白石。」



氷帝の皆と歩くこと数分、蔵たちがいるホールらしきところに着いた。



白石「いや、構わんで。って、氷帝全員揃っとるやないか！」

「おお」と静かに驚く蔵。



謙也「お！侑士やないかー！会うんは久しぶりやな！

知ってたかA、そこにいる眼鏡かけた奴と俺従兄弟なんやで！！！」




謙也は侑士を見るなり顔をパッと輝かせて大袈裟に手を振ったかと思えば、なんでかよく分からないけれど私の方に向き直ってえっへんと胸を張って言った。




貴「知ってるよ、さっき侑士からも聞いたもん。」





謙也「な、なんやて……！びっくりさせたろう思おてたんに……」




肩を落とす謙也に軽く手を置いてよしよしと宥めてあげた。
この様子だと、相当それを言うの楽しみにしてたんだと思う。




そして一方。侑士はというと、目を細めてジーッと謙也をみている。



侑士「さあ、誰やったっけな？」



謙也「なっ……！謙也や謙也！おんまえっ！大事な従兄弟やないか！！！」



侑士「あー、そういやそないな奴おったなー」



謙也「お前なぁ……」




貴「仲、良いんだね」



若干寂しそうに肩をおろす謙也と、楽しそうに笑う侑士の間に入って笑いかける。



謙也「こんな奴と仲良お無いわっ！」




遠山「なんでやー？喧嘩するってことはそれ程仲良いんとちゃうんー？」




貴「本当に、謙也も素直じゃないんだから」



「ねーっ」と言って金太郎と顔を見合わせる。







＿＿＿＿その時




ーガチャッー




という音と共に開かれる扉、そしてそこからはテニスラケットを持った人達が続々と入ってきた。


その先頭を歩く眼鏡をかけた人が跡部と蔵に近づいていった。
多分、状況から察するにこの団体は合宿に参加するどこかの中学校のテニス部の人達で、私の少し目先に立っているあの人は先生……




＿＿＿＿否。部長さん、かな？




一見大分大人に見えるけれど、立海にも1人老け顔いるし。
案外大人びてる中学生なんてそこまで珍しくもないんだと思う。




それにしてもあの人立ち振る舞いも含めて大人っぽいなぁ、とまじまじ見つめていた矢先、急にこっちに向き直ってきて視線がバッチリ交わってしまった。



目力が強くて一瞬たじろいてしまったけど、なんとか体制を戻して軽く頭を下げた。


次に私が頭をあげた時にはその人が目の前に来ていた。

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