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三話 ページ4

今から考えてみれば、あの日が良い意味で私が生まれ変わった瞬間だったのだと思う。


あの日、いつも通り遊んでいた私は、ある人と出会った。

顔も名前も覚えてない、少し年上であろう男性と。


実際、その人と会ったのは一度きり、出会ったことなんて忘れていてもおかしくないのに、その人は私に一生忘れられない言葉を残した。





「周りの人と違って何が悪いんだい?

他人と違って当たり前。

もう少し自分に自信を持ち給え」


そう云ってその人は微笑んだ後、少し顔を伏せて何かを呟いた。


覚えているのは、それだけ。

でも、その言葉は私の生き方を大きく変えた。

異能の為、いじめられて休みがちだった学校にも毎日通い、今ではもう大学生だ。



外を見ると、雪が降っていた。
僅かではあるが、ふわふわ舞っている雪。

その光景に、思わず目を細める。



でも、この時はまだ知らなかった。

この雪の降る日を境に、私の人生が更に大きく変わることを。

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作者名:翠嵐 | 作成日時:2017年7月16日 21時

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